【解説】能登半島地震 海底断層との関連は?「F43」の存在
■日本海側の津波は“高い”“早い”
日本海側でおきる津波は『地震の規模のわりに津波が高く、津波到達までの時間が早い』という特徴があります。日本海側では、太平洋側で発生するプレート境界型と異なり、活断層のように地殻の中の浅い場所で発生する地震に伴って津波が発生することがあります。 1日の能登半島地震の震源の深さは16キロと比較的浅い場所で発生し、岩盤が大きくずれたことで地盤が隆起しました。大きな規模の地震が浅い場所でおきると、海底地形の上下の変動量も大きくなるため津波が高くなる傾向があります。 また地震をおこす断層が沿岸に近い場所にあるため、津波が早く到達します。能登半島地震では、地震発生からわずか1~2分で津波が到達した地域がありました。
■次々と津波来襲――周期が短い
さらに、日本海側では、波の山から次の山がやってくるまでの「周期」が短いという特徴があります。2011年の東日本大震災で観測された津波の周期は20分~1時間ほどでした。一方で、今回の能登半島地震の津波の周期は10分程度でした。専門家によりますと、周期が短い場合、波のパワーが大きくなり、同じような津波が次々と押し寄せてくるといいます。
■大きな揺れを伴う地震に引き続き警戒を
地震の専門家で、環境防災総合政策研究機構の草野富二雄さんによりますと、1日の地震はマグニチュード7.6という大地震であったことに加え、陸地に近い場所で発生したことなどから、しばらくは震度5弱以上の大きな揺れに注意が必要だとしています。 大きな揺れによって新たながけ崩れがおきたり、家屋が倒壊したりするおそれもあり、避難生活や救援活動で大変な状況である中、新たな被害に遭わないようにできる限り注意してほしいと話しています。 また、海岸で大きな揺れを感じた場合、速やかに高台や安全な場所に避難することを心がけてほしいということです。