<侍JAPANの井端監督も>「みるみるうちに痩せていく」「入学式前に1/4以上が辞める」…二人の大物OBが振り返る「日本一厳しい亜細亜大野球部」での「プロになれた分岐点」
先輩がユニフォームを着る順番も覚える
阿波野 寮の玄関にでっかい黒板があって、リーグ戦のメンバーが発表されるときにも名前が書き出されたり、いろいろな伝達事項が記されるんだけど、「8時半自習室集合」って書いてあると「うわ~、俺のせいだ」って。 与田 みんな「誰だよ?」「なにやったんだ!?」となる。 阿波野 練習中に帽子を取らずに上級生からのボールを受け取って集合になったこともあったけど、寮の部屋にいるときも気を抜ける時間がない。使っていい言葉も基本は「はい」だけ。 与田 「いいえ」は言ってはダメですからね。先輩に何を頼まれても、すべてにおいて「はい」と答える。 阿波野 理由を聞かれたときなんかはきちんと答えるけど、問い詰められるようなことを言われたときは、言い訳に聞こえたり、まずい発言になる可能性がある。そういうときはもう「はい」「 はい」と。先輩に「はい、じゃないんだよ、なんなんだよ!」と詰められても「はい!!」と言い続けた。 与田 わかります(笑) 阿波野 そのひと言が大変なことに繋がりかねない。そうすると全員に迷惑がかかるからね。 与田 あと1年生は常に体育座りをしていないといけなくて、先輩の一挙手一投足に目を配っている。部屋に入ってすぐのところに柱があって、そこが体育座りでもたれることができるところなんですよね。横に冷蔵庫があって、先輩が「おーい」ってコップを上げたら、すぐさま飲み物を注ぐ。先輩の灰皿に吸い殻1本を残してもいけないので、吸い終わったらすぐに片づけて、掃除してまた持っていく。 その柱の腰が当たるところは歴代の1年生がずっと座っているから色が抜けている。いろいろな言い方をする人がいましたけど、そこには怨念がこもっているとか(笑) 阿波野 洗濯したユニフォームを畳んだあとは、着る順番通りに積む。パンツから履く人もいれば、靴下から履く人もいるから、ちゃんと把握しておかないといけない。先輩が上から順に着ていけるようにしておく。
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