パドレス対ドジャース　試合前、キャッチボールで調整するパドレス・ダルビッシュ（撮影・菅敏）

＜ナ・リーグ地区シリーズ:パドレス0－8ドジャース＞◇第4戦◇9日（日本時間10日）◇ペトコパーク 　先に王手をかけながら、本拠地で完敗したパドレスは、11日（日本時間12日）の第5戦では再び敵地へ乗り込み、大ベテランのダルビッシュ有投手（38）に命運を託すことになった。 　序盤からリードを許し、一方的に敗れたシルト監督は、敗戦のショックを感じさせないほど、前向きな言葉を並べた。「金曜日（11日）が来るのを興奮しているよ。とても面白い試合になるだろう」。本拠地で決着をつけられず、熱狂的な敵地へ舞台を移すとはいえ、不安材料はない。 　その絶対的な自信の根拠が、ダルビッシュの存在だった。6日（同7日）の第2戦では7回1失点の快投を演じ、敵地ファンを沈黙させた。「自信のレベルはすばらしい。（日米）通算203勝しているし、長い間投げてきて、国際試合でも、あっちの球場（ドジャースタジアム）でもいい投球をしてきた。この世代ではもっとも優れた投手のひとりであり、もちろん自信はある」。チームリーダーのマチャドも、余裕の表情を浮かべつつ、ベテラン右腕への期待を口にした。「彼も準備できているし、我々もできているよ」。 　この日のダルビッシュは試合前、ランニング、ノック、キャッチボールなどを経てブルペン入り。躍動感あふれるフォームで力強い球を投げ込んだ。昨オフ、大谷、山本が相次いでド軍入りした際、あらためて「打倒ド軍」を宣言した。かつて在籍し、その底力を知るからこそ、ライバル心もより強い。シリーズ突破をかけた一戦は、だれよりもダルビッシュ自身が待ち望んでいたに違いない。 　○…今ポストシーズンで初登板した松井が、1回1安打無失点と好投した。0－8と8点ビハインドの9回から7番手として救援。見逃し三振、右飛で2死を取った後、左前打を許したものの、最後は捕邪飛に仕留め、無失点に抑えた。「とりあえず投げて帰ってきたという感じです」と振り返った一方、第5戦へ向けて「またLAがすごい雰囲気になると思うので、いろんなものを感じながら過ごせればいいと思います。勝ちたいです」と抱負を語った。