5回、降板する巨人の戸郷翔征＝東京ドーム（撮影・今野顕）

プロ野球のクライマックスシリーズ（CS）ファイナルステージ（6試合制）は21日、セ・リーグの第6戦が東京ドームで行われ、リーグ優勝した巨人と3位から勝ち上がったDeNAが対戦した。 【写真】菅野智之に謝罪し、ペシっと頭をたたかれる浅野翔吾 3勝3敗で迎えた最終第6戦。巨人の命運を託されたエースは唇をかんだ。第1戦は七回途中2失点で敗戦投手となった戸郷は、2－0の五回に2失点。「負ければ終わり。そう思えば踏ん切りもつく」。必死に腕を振ったが、無念の途中降板となった。 中4日の登板も、球威は十分だった。直球は151キロをマーク。宝刀フォークだけでなく、切れていたのはスライダーだった。中軸を迎えた四回は、いずれもスライダーでオースティンを右飛、宮崎を空振り三振。「その日によって調子も違う。臨機応変に対応したい」と冷静な背番号20は淡々と投げ込んだが、好調のDeNA打線を前に粘り切れなかった。 令和の「10・21決戦」だ。勝ったほうが優勝となる、1994年の中日との「10・8決戦」では当時の長嶋監督が槙原、斎藤、桑田の先発3本柱を投入し、リーグ優勝を決めた。 この日は中3日の菅野、中2日のグリフィンもベンチ入り。「総力戦でいきます」と言い切った阿部監督は、戸郷を含め今季計33勝の先発3本柱で勝負をかけた。「みんなの力合わせれば僕らのほうが上。いい気持ちで臨めたら」と語っていた戸郷は、ベンチで悔しそうな表情を見せた。（川峯千尋）