亀田ジム険しい再出発への道 処分再審議は却下
国内で試合のできないWBO世界バンタム級王者の亀田和毅は、2014年5月上旬にメキシコで指名試合を行うことが内定したが、これまで亀田3兄弟の試合を独占放映してきたTBSは、この海外防衛戦の放映を断念。今後は、亀田3兄弟のボクシング中継から撤退する方向を固めたようだ。テレビ局のバックボーンがなければ、亀田ジムサイドはビジネス上でも、今後、海外でタイトル戦を行っていくことも難しくなる。 また、亀田ジムが所属している東日本ボクシング協会も、これまでに吉井会長の聴き取り調査を終え、実質の会長職を吉井氏が全うしていないことが浮き彫りになったため、JBCの処分を追認するような形で結論を出す模様。一部の報道では、「WBA世界Sフライ級王者の河野公平(ワタナベジム)と、亀田興毅の試合を国内で実現するため、協会預かりにするような提案がなされている」とあったが、元々、東日本協会に、一切、そのような考えはなく、報道後には、協会に抗議の電話も殺到したという。 しかも、IBFが、先日、JBCの主張を全面的に認め、謝罪の声明を出している。ここで時間のかかる法廷闘争に持ち込めば、ますます3兄弟が、ボクサーとして復帰できる時期の見通しが立たなくなる。亀田ジムサイドは、今回の件に関して、JBC側にもある不手際(ルールミーティング内で、試合後のベルトの行方についての確認を行わなかった。森田事務局長が、いったん、IBFの変更を追認したなど)についての納得はいっていないようだが、3兄弟の今後についてを考慮し、抜いた刀を納めて、再出発に向けての善後策を練り始めている。 JBCサイドの一部にも、「3人の選手には罪がない。彼らはなんとかしてあげたい」という声もある。ただ、今回の処分は、“ライセンスの剥奪”ではなく、“更新を認めない”という処置のため、最低でも、来年、2015年1月1日の再更新のタイミングまでは、待たねばならない。