亀田ジム険しい再出発への道 処分再審議は却下
昨年12月に行われた亀田大毅のIBF、WBAの世界スーパーフライ級統一戦が発端となって始まった、“亀田問題”が、ようやく終息を迎えることになった。JBC(日本ボクシングコミッション)は9日、都内で倫理及び資格審査委員会を開き、亀田ジムから出されている再審議の申請を受け入れるかどうかに関して約4時間に渡って審議し、その申し出を却下することを決定した。 JBCは、亀田大毅の統一戦において、IBFの立会人が「負けたら空位」から「負けても防衛」とて発言を一転させ、ボクシング界に大混乱をもたらし、社会的な信用を失墜した一連の問題に関して、亀田ジムの吉井慎次会長と、嶋聡マネージャーが職務を全うしていなかったとして、各種ライセンスの更新を許可しない処分を下していた。そのことにより、4階級制覇を狙っている亀田興毅、亀田大毅(IBFの王座返上)、WBO世界バンタム級王者・亀田和毅の3人の国内のボクサーライセンスも自動的に失効となり、国内でのボクシング活動が一切できなくなっていた。 亀田ジムは、その処分を不当として、新事実を添えた上で再審議を求めていたが、JBCは「新しい事実はあったが、これまでの主張に多少肉づけした程度のもので、根本的に我々の考えを覆すような内容ではなかった」として申し出を却下することを決定した。JBCは、早ければ週明けにも、正式に発表することになる。 亀田ジムは、当初、再審査が認められず、処分の撤回もしくは、変更がなされなかった場合、不当処分であることを訴えて法廷闘争に持ち込む準備をしていた。だが、先日は、亀田大毅が、IBFのタイトルを返上。ここにきて、法廷闘争で白黒をつけることをあきらめて再出発への道を模索する方向への転換を検討している。その背景には、できるだけ早く選手にボクシングを続ける環境を復活させてあげたいというジムサイドの意向と、四面楚歌に追い込まれているという苦しい現状がある。