いきなりエース&主軸級の活躍期待も! 今季のNPBルーキー「即戦力度ランキングトップ5」
■セ・リーグ4位:荘司宏太(セガサミー→ヤクルト3位・投手) ■パ・リーグ4位:中込陽翔(徳島インディゴソックス→楽天3位・投手) 慢性的な投手不足に悩むヤクルトが3位で指名したのが社会人のリリーフ左腕である荘司だ。大学まではスピードはありながらも安定感に乏しい印象だったが、社会人で変化球を磨いて一気に評価を上げた。最大の武器はブレーキ抜群のチェンジアップだ。上背はなくても高い位置から鋭く腕が振れ、打者の手元で鋭く沈み空振りを奪うことができる。東京ガスの補強選手として出場した都市対抗でも抑えとして2試合、4回を投げて無失点、5奪三振と見事な投球を見せた。少し制球には不安が残るものの、右打者にも強いだけに1年目から中継ぎとしてフル回転が期待される。 一方の中込もリリーフとして期待がかかる右腕。山梨学院大では4年秋から急成長を遂げると、徳島でも1年目から全てリリーフで43試合に登板してリーグ最多の8勝をマークし3位という高い順位でのNPB入りをつかんだ。小さいテイクバックでサイドに近いスリークォーターから投げ込むストレートはコンスタントに145キロを超えるが、それ以上に目立つのが変化球だ。スライダー、ツーシーム、フォークは鋭く手元で変化し、いずれも勝負球として使うことができる。奪三振率も高く、登板が重なっても球威、制球が落ちないスタミナ面も大きな魅力だ。徳島で見せていたような投球ができれば、1年目から一軍のブルペン陣に加わる可能性も高いだろう。 ■セ・リーグ3位:伊原陵人(NTT西日本→阪神1位・投手) ■パ・リーグ3位:麦谷祐介(富士大→オリックス1位・外野手) 伊原は大阪商業大時代も主戦として活躍しており、当時からまとまりは目立っていたが、社会人で見違えるほど球威がアップして1位まで評価を上げた。上背はないもののよく鍛えられたたくましい体格でフォームの躍動感も申し分ない。コンスタントに145キロを超えるストレートは数字以上に打者の手元で勢いがあり、空振りを奪えるのも魅力だ。カーブとスローカーブの2種類を投げ分けるなど緩急の使い方も上手く、変化球のレベルも高い。起用法が気になるところだが、タイプ的にはできれば先発を任せてもらいたい。 麦谷は総合力の高さが光る外野手。脚力は高校時代から抜群のものがあり、ただ足が速いだけではなく盗塁の思い切りが良く、相手の隙を突ける走塁技術の高さも光る。打撃も年々力強さが増して長打力も大きくアップし、度々逆方向へもホームランを放った。チャンスでの集中力の高さも大きな持ち味だ。オリックスのセンターはかなり流動的な状況で、野手陣全体の世代交代も課題となるだけに、1年目からレギュラー争いに加わることが期待される。