衆院選の応援について語る群馬県の山本一太知事＝18日、県庁

群馬県の山本一太知事は18日、派閥パーティー収入不記載事件による処分を受けて自民党を離れ、無所属で衆院選に立候補している西村康稔元経産相（兵庫9区）、世耕弘成元経産相（和歌山2区）について、選挙応援を行うとの意向を表明した。その理由を「お二人には群馬県知事として大変、お世話になった。苦しいときに受けた恩義は決して忘れない。それが上州人の哲学だ」と語った。 【表でみる】夕刊フジが作成した「落選危機にある大物・著名候補21人のリスト」 党員資格停止中の西村氏には17日に応援に入り明石駅前などでの演説行脚に同行した。西村氏にはコロナ禍の際、「えたいの知れないウイルスにどう向き合うか、群馬の要望や悩みを担当大臣として真摯（しんし）に聴いてくれた。全国の知事で西村大臣の世話にならなかった人はいないはずです」。 世耕氏については、現在も副知事として知事を支える宇留賀敬一氏を「世耕氏が経産大臣当時、抜擢し群馬に送り込んでくれた」。和歌山2区には、自民党が二階伸康氏（二階俊博元幹事長の三男）を擁立、保守分裂選挙となっているが、山本知事は「和歌山の自民党の皆さんには叱られるかもしれないが、世耕さんを応援させていただきます」と明言した。 支持者の中には、応援をたしなめる声も複数あったという。山本知事も「不記載事件が国民の政治不信を招いたのは事実。だから2人は責任をとって処分を受け入れた」。一方で「本来なら2人とも総裁候補になっていた実力者。それが裸一貫で出直すというとき、世話になった者として恩義を返すのが群馬県人の義理人情」と力説した。 和歌山2区には、世耕氏と二階氏のほか、共産新人の楠本文郎氏、立民新人の新古祐子氏、諸派新人の高橋秀彰氏が立候補。兵庫9区には西村氏のほか、立民新人の橋本慧悟氏、共産新人の高田良信氏、維新新人の加古貴一郎氏が立候補している。