パート勤務で「年収120万円」の妻が、10月から“社会保険”に加入。手取りが「月1万5000円」減るそうですが、収入を減らすほうがお得ですか? 長生きすれば元は取れるのでしょうか?
2024年10月から、社会保険に加入する対象となるパート・アルバイト従業員の範囲が拡大されます。これまで配偶者の扶養に入っていた人でも、社会保険に加入しなければならない人が増えるわけです。 こういった人の中には、働く時間を減らして、社会保険の扶養内で働いたほうが良いのか、それとも扶養から抜けてしまったほうが良いのか悩む人も多いはず。社会保険に入ることにより手取りは減るものの、将来の年金は増えるという話を聞いて、どうしようか悩む人も多いでしょう。 本記事では、年収120万円の人が社会保険に入る場合、手取りがどれくらい減るのか、また加入することで将来増える年金額について考えます。 ▼扶養内で働いてるけど、労働時間が「週20時間」を越えてしまった!「社会保険」に加入する必要はある?
社会保険料の負担はおおむね賃金の15%
社会保険料に加入することで、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料の支払い義務が生じるわけですが、このうち健康保険料は加入する健康保険組合によって異なります。例えば、東京都の全国健康保険協会に加入する人が負担する社会保険料は以下の通りです。 ・健康保険料 標準報酬月額の4.99%(40歳以上は介護保険料を含む5.79%) ・厚生年金保険料 標準報酬月額の9.15% ・雇用保険料 給与額の0.06% 合計するとおおむね賃金の14~15%ほど社会保険料を負担することとなるのです。 したがって年収120万円、つまり月収10万円のパート・アルバイト従業員は、多い人で毎月約1万5000円社会保険料を負担することとなり、その分手取りが減るのです。 ■年収120万円の人なら月に約1万2000円収入を減らしたほうが良い? パート・アルバイトが社会保険の加入対象となる条件の1つに、「所定内賃金が月に8万8000円以上」というものがあります。つまり、月収を10万円から約1万2000円減らし8万8000円未満とすることで社会保険には入らず、配偶者の扶養のままでいたほうがお得と感じるかもしれません。 ただし、社会保険に入ることで将来の年金が増える、病気や出産の際に各種手当がもらえるなどメリットもあるので、総合的に考えることも大切です。