どうなる、どうする五郎丸。日本代表復帰の可能性は?
そもそも本人とて、かつてはイングランド大会後に代表を引退する意思を示したことがある。知られている通り、日本代表は大会通算1勝のまま迎えたイングランド大会で南アフリカ代表撃破など歴史的な3勝を挙げた。次回大会へ挑むには強い覚悟が必要だと、五郎丸と同級生のあるイングランド組も口にしている。 「歴史的なことを成し遂げたが、相手との地力の差はある。次回大会に向けては選手も大変です」 独自のラグビーキャリアを重ねてきた五郎丸は、今後、アドバイザリー契約を結ぶ古巣・ヤマハへ復帰する可能性もある、と報じられている。これが実現したら、本人が望んだ場合の代表復帰に向けたアピールの場は、日本となる。 現在ヤマハでフルバックを務めるのは、南アフリカ出身のゲラード・ファンデンヒーファーだ。大柄な体躯とロングキック、さらには快足を長所とする若手の星だ。五郎丸が抜けた後に入れ替わりで加入し、そのままチームの正プレースキッカーも任されている。ファンデンヒーファーはウイングでもプレーできる。五郎丸との併用もありそうだ。とはいえ古巣でも、競争と無縁ではない。 五郎丸が日本で最も有名な選手の1人であることは、間違いない。振り返れば、代表定着前から、人気の高い早大ラグビー部のエースとして当時の代表選手に負けない知名度を誇っていた。逆境を乗り越えるさまを注目されるという、ある意味で酷な運命を背負っているようだ。 離日前に「日本にいるとなかなか失敗することがなくなりましたが、海外でいっぱい失敗して、最後はそれを成功に繋げたいですね」と話していた背番号15。この先、どんな人生の物語を紡ぐだろうか。 (文責・向風見也/ラグビーライター)