どうなる、どうする五郎丸。日本代表復帰の可能性は?
五郎丸はここ2年間で、自身にとって初の海外プロ生活を経験。人生を豊かにしたのは間違いないだろう。苛烈な献身を求めたジョーンズのもとで代表活動をしてきた五郎丸にとって、ラグビーとオフタイムのワークライフバランスを考える列強国の戦士たちとの邂逅は意味深いはずだし、渡仏は後悔していまい。もっともその間、実戦から離れていたのは確か。日本代表とも距離を置いてきた。 2016年秋から、ニュージーランドのジェイミー・ジョセフが新しい日本のヘッドコーチになった。前後左右にボールを動かすラグビーを目指す。テンポ良く攻める点はオーストラリア出身のジョーンズ体制時と似ているが、ボール保持に主眼を置いた以前と比べ、キック、ラン、パスを適宜選択する方向にシフトしている。 攻守の切り替えに対応し得る頭脳、身体の俊敏性が求められていて、いまの正フルバックはランニングスキルに長けた松島幸太朗が担う。その隣のウイングで先頭を走る山田章仁は、ジョセフの要求に対応すべく徐々に体重を減らしている。異国で試合出場が限られてきていた五郎丸にとっては、過去のキャリアが尊重されづらい場所とも取れる。 さらに、ジョセフも着任からいくらかの時間を過ごしたことで、自らの眼でベストプレーヤーを探す環境を整えている。 スーパーラグビーへ日本から参戦するサンウルブズの練習や試合を常に視察。ナショナル・デベロップメントスコッドという合宿プログラムも実施している。これらをセレクションの礎としていて、シニアプレーヤーを無条件で代表へ呼ぶケースは徐々に減らしていくだろう。 指揮官は4月11日、アジアラグビーチャンピオンシップを戦う若手主体の日本代表を発表。質疑応答のなか、リーチ マイケル、ツイ ヘンドリックといった昨秋の活動を辞退したイングランド組の意志について言及した。 海外のスーパーラグビークラブに在籍する彼らは、アイルランド代表戦などが予定される6月の活動時は「選ばれればプレーしたい」と口にしたという。一方で、五郎丸については「彼とは連絡を取っていない」と発言。それ以上、話題は広がらなかった。現在の代表やサンウルブズでは、松島の後を追うフルバック候補としてサントリーの江見翔太や帝京大学の尾崎晟也ら、スピーディーな若手がリストアップされている。