火事、雨にマスク姿の美人チア…無観客でハプニング開幕の韓国プロ野球に日米注目
韓国プロ野球(KBO)が5日、ソウル、仁川など韓国内5カ所で一斉に開幕した。無観客で、審判、監督、コーチらがマスク、手袋の着用を義務づけられ、美人チアリーダーもマスク姿で応援するという異例のスタイルでスタートしたが、各所でハプニングにも見舞われた。 起亜タイガースとキウム・ヒーローズの試合が行われた光州では、近隣で起きた火事の影響で試合が一時、中断。約20分後に再開したが、米国のスポーツ専門メディア「ESPN」が生中継した大邱で開催されたサムスン・ライオンズとNCダイノスの試合は、突然の降雨で33分遅れでの試合開始となった。 まだ開幕のできていない日米のファンやメディア、関係者が注目している中での開幕となったが、CBSボストンは、この雨で遅れた試合をクローズアップ。 「ESPNは、ライブスポーツを見たくてたまらないスポーツファンを堪能させようと韓国野球委員会と毎週6試合を放送する契約を結んだ。米国のファンは、KBOの選手やチームが現れても、基本的には、どこの誰かの見当がつかず、時差の関係で大抵の人々が、睡眠中の非常識な時間に試合が放送されるが、テレビでの野球中継という事実は、多くのファンを興奮させていた」と紹介。 「だが、雨だった。ファンの興奮の中、NCダイノスとサムスン・ライオンズの試合は、東海岸時間午前1時、内野に白い大きな防水シートが敷かれた状態で中継された」と、皮肉を交え、マスク姿のチアリーダーの様子などを写真で紹介した。 またNCダイノスが4-0で勝利を収め、ファンが自宅からビデオ通話をつなげてリモート応援したことも付け加えた。 同メディアは、テレビ中継のなかった試合で火事による中断があったことも伝え、「すべてを終えてみて、韓国プロ野球の開幕日は、(新型コロナ禍の)2020年において、簡単にできることは何ひとつないということを教えてくれた」と問題提起している。 ワシントンポストが注目したのはKBOの新型コロナの感染予防対策だ。 「ファインプレーや本塁打の後でもハイタッチや握手は行われない。選手間での身体的な接触は厳しく禁止されている(タッチアウトは除く)。試合中に唾を吐くことも許されない。審判とコーチは、マスクと衛生用手袋の着用が球場内で要求される。リーグが選手の新型コロナ感染を確認すれば、その規模によってはシーズンをまた中断するかもしれない」 同メディアは、「韓国はスポーツに飢えた世界に試合を届けた。(無観客だが)キャッチャーミットに収まるストライクの皮質の音は以前となんの違いもなかった。センターへの素晴らしい当たりには、十分な拍手もあった。だが、それ以外のことはなじみのないことだった。チアリーダーは全員がマスクを付け、2万5000席あるソウルのチャムシルスタジアムで踊っていた」と記し、巨大な透明の”ボール型風船”の中に入った子供が歩きながらそれを動かして行ったソーシャルディスタンスを象徴するような珍しい始球式の様子にも触れた。 8日には韓国でサッカーのKリーグが始まり、来週は、女子のプロゴルフツアーが開幕することも併せて報じられている。