女性管理職がいる企業の割合は順調に増えているのか。部長・課長・係長の平均賃金も男女で比較
管理職の平均賃金を男女で比較
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」から、役職、性別の平均賃金をみてみましょう。 ●男性の管理職の平均賃金 ・部長級:60万4100円 ・課長級:50万700円 ・係長級:38万2300円 ・非役職者:31万1900円 ●女性の管理職の平均賃金 ・部長級:52万1000円 ・課長級:43万800円 ・係長級:33万5900円 ・非役職者:26万300円 ●男女計の管理職の平均賃金 ・部長級:59万6000円 ・課長級:49万800円 ・係長級:37万800円 ・非役職者:29万1100円 男女別に平均賃金を比較すると、部長級が約8万円、課長級が約7万円、係長級が約5万円の差があることがわかります。 ●諸外国と比べた男女間賃金格差 また、男女共同参画局の資料を見ると、長期的に見れば男女間の賃金格差は縮小傾向にあるものの、諸外国と比べても格差が大きい状態が続いていることがわかります。
まとめにかえて
今回ご紹介したように、管理職に占める女性の割合や、女性管理職を有する企業の割合は依然として低水準です。 また、男性との賃金格差も大きく、女性の経済的自立やキャリアップの弊害になっていると言えます。 とはいえ、企業規模が大きいほど女性管理職を有する企業割合が高い傾向にあるのも事実です。 積極的に女性のキャリアを支援している企業も増えており、一部の企業ではダイバーシティ推進が実現されつつあるようです。 どちらにせよ、自身のキャリアについて考えるのであれば、企業の支援制度やサポートなどをよく吟味し、勤め先を選ぶ必要があるでしょう。
参考資料
・厚生労働省「『令和5年度雇用均等基本調査』の結果概要」 ・厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」 ・男女共同参画局「男女間賃金格差(我が国の現状)」
加藤 聖人