箱根駅伝の区間エントリーで”戦略的補欠”となった駒大の大型新人、田澤廉はニューヒーローになれるのか?
いつの時代も人々は新しいスターを求めている。第96回箱根駅伝(2020年)はどんなヒーローが誕生するのか。その候補のひとりになるだろう。今大会、「スーパールーキー」として期待を集めているのが、出雲駅伝3区で区間新記録(区間2位)、全日本大学駅伝7区で区間賞を獲得した駒大の1年生、田澤廉だ。 29日に発表された区間エントリーでは補欠登録となった。往路、復路共にレーススタート1時間10分前まで登録変更が可能のため「スーパールーキー」の田澤の起用区間は、他大学のメンバー構成を睨みながら戦略的に最終決定される予定だ。 田澤の活躍を見て、思い出したのが、東海大・佐藤悠基(現・日清食品グループ)、早大・大迫傑(現・ナイキ)、駒大・村山謙太(現・旭化成)の3人。箱根駅伝では毎年のようにスーパールーキーと騒がれる選手がいるが、田澤はどれほどの実力なのか。過去の“大物“たちと比べてみたい。 まずは田澤の活躍を振り返ってみよう。青森山田高では2年時に5000mで13分53秒61(高2歴代5位)という好タイムをマーク。3年時はインターハイ5000mで7位(日本人2位)、国体少年A5000mで6位に入っているが、メジャーレースで日本人トップに輝いたことはない。 駒大入学後は、5月に行われた関東インカレの2部5000mで7位(日本人2位)に入ると、9月22日の日体大長距離競技会5000mでU20日本歴代10位の13分41秒82をマーク。高校2年生の12月以来、約2年ぶりに自己ベストを更新した。 10月の出雲駅伝はエースが集う3区に出場。トップ集団でレースを進めると、ラストスパートで先輩たちに先着する。東洋大・相澤晃(4年)には及ばなかったが、トップでタスキを渡して、区間新記録(区間2位)という鮮烈な学生駅伝デビューを飾った。 11月の全日本大学駅伝は17.6kmのロング区間である7区に起用された。距離に対する不安もあったというが、田澤は8位から4位まで順位を押し上げる。青学大・吉田圭太(3年)のタイムを15秒上回り区間賞を獲得した。そして、11月23日の八王子ロングディスタンス1万mで今季日本人学生最高記録&U20日本歴代5位となる28分13秒21をマークしている。 では、過去のレジェンドたちはどうか。