わたしたちもいい「ふうふ」に 同性婚について当事者が思うこと
「11月22日は、いいふうふの日~いろんなふうふにイイね!を贈ろう~」というキャンペーンが、全国の百貨店で展開されている。異性同士に限らず、あらゆるカップルへの寄り添いをコンセプトに掲げ、イベントやポスター掲示で理解の輪を広げるねらいだ。 【写真】トークイベントに登壇した井上ひとみさん(右)と瓜本淳子さん=2024年11月16日、東京都渋谷区、井手さゆり撮影 東京の高島屋新宿店では16日、当事者らによるトークイベントが行われた。 「うちらが偽物の家族って言われているみたいで。すごく悲しい」。大阪市の井上ひとみさん(45)は振り返る。 井上さんは、瓜本淳子さん(44)と特定非営利活動法人「カラフルブランケッツ」を運営する。2人はレズビアンのカップルで、2015年に公開結婚式を挙げた。大阪市で18年に始まった「パートナーシップ宣誓証明制度」(22年8月からはファミリーシップ制度)のカードは、制度開始の初日に受け取った。 ■「本当」の家族? そんな2人が現実を突きつけられたのが、医療機関での経験だった。 井上さんが全身麻酔が必要な医療処置を受ける際、緊急連絡先を瓜本さんにしようとして断られた。医療機関が制度を知らなかったからだ。制度の趣旨を説明し、結果的にこのときは認められたものの、「これ以上、大きな手術になったら本当の家族の名前を書いてもらわないと困る」と言われたという。 大切なパートナーが「家族」と認められない。2人の関係が法律で守られていないと痛感させられたことに、瓜本さんも「お互いに何かあった時にどうなるんだろう、って心配です」と口にする。
朝日新聞社