「私ここにいていいの?」3歳の息子を家族に任せて…セッター岩崎こよみ35歳が踏ん張った1カ月「セナと珠己が本当に頑張っていましたから」
「『ここは大変だな』と思うところに身を置いた時に、自分は成長しているんです」 バレーボール女子日本代表の岩崎こよみ(埼玉上尾メディックス)が、イタリア・セリエAのラルディーニ・フィロットラーノで奮闘していた2018年12月のインタビューで、海外移籍の理由を尋ねた時に聞かせてくれた言葉だ。 【画像】「スゴい!15年前と全然変わらない」日本代表デビューした岩崎こよみ(当時20歳) 例えば、本人曰く「普通の小学生」だった岩崎が名門の成徳学園中学に進学した時、アタッカーからセッターに転向した時、イタリアへの移籍。 そして今、まさにその真っ只中にいる。
「自分がこんなところにいていいのか」
「一緒に実を結ぶことができて、ホッとしました」 日本のパリ五輪出場が決定してから1日経った6月15日、岩崎は、肩の荷が降りたような安堵の表情だった。 “一緒に実を結ぶ” この表現が一番腑に落ちたようだ。 「3年間、みんながやってきたこと、苦労してきたことが実を結んで、本当に良かったなという気持ちです。このネーションズリーグで(五輪出場の可否が)決まるというそのプレッシャーの中で、コートに立つ機会が多くて、『自分がこんなところにいていいのか』と思うこともあったし、不安もあったんですけど、とりあえずみんなをオリンピックに……なんて言うんですかね、連れていくと言ったらおこがましいし、一緒に運ぶというか、一緒に実を結ぶことができて、ホッとしました」 ネーションズリーグの予選ラウンド全12試合に先発出場し、五輪切符獲得に貢献した岩崎が、「自分がこんなところにいていいのか」という葛藤を抱えていたとは。 代表に復帰した眞鍋政義監督の体制が始動した2022年と昨年の2年間は、主に関菜々巳を正セッターに据えてチームを作り、昨年のパリ五輪予選では松井珠己がセカンドセッターを務めた。 その間、岩崎は代表から離れており、昨年はB代表に招集されたが、A代表には今年が5年ぶりの復帰だった。 「去年のOQT(パリ五輪予選)を観ていましたけど、セナ(関)と珠己が本当に苦労しながら頑張っていましたから。今自分がコートに立っていても、2人が本当に親身になって支えてくれますし、もちろん自分が試合に出たいという気持ちもすごく感じます」 岩崎の言葉の端々から、これまでチームのコンビを作ってきた2人へのリスペクトが伝わってくる。その分、のしかかるプレッシャーは大きい。 「それに、自分は子供を産んでから、正直バレーに100%力を注いできたわけではないので……」
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