B.革新の申し子たち~ドラフト・エイジ(中編)(インカレバスケ2024)
「点数を取って活躍しつつチームを勝たせることが1番」九州共立大学 #6 上間玖龍
プロの目に止まるためには個人のスタッツで目立つか、はたまたチームが勝ち進むべきか。九州共立大学 #6 上間玖龍は自信を持って後者を選び、「そこにこだわっています」と即答した。上間は昨年の新人インカレで早稲田大学を相手に27点、ダブルオーバータイムにもつれ込んだ名古屋学院大学戦では38点をマーク。このインカレでも相手からは、「6番来たよ」と警戒される。「練習中から川面さんに強いプレッシャーが来るかもしれないけど逃げないでしっかり戦え、と言われていました」と心の準備はできていた。的確なアドバイスを送る九州共立大学の川面剛監督も、トップリーグやプロで活躍した経歴の持ち主である。 上間の特徴は「ゲームコントロールというよりかは、点数をアグレッシブに取りに行くプレイヤーだと思っています。しっかり自分がアタックできるところはアタックしながら、持ち味であるスピードを生かしたプレーを意識しています」と強気なスコアラー。浜松学院大学戦は13点、松山大学戦は4点に終わったがボールを持ってかき回し、キャプテン #77 上地康椰や #44 藏本翔ら4年生の得点力を支える。松山大学との接戦を91-90で制して2連勝を挙げ、グループステージを突破した。 中京大学に72-95で敗れ、1回戦敗退。3試合で平均8.7点、昨年の新人インカレでスタッツではインパクトを残した上間だが、「チームを勝たせることができず、そこが自分にとって足りないところでした」と反省する。1回戦敗退だったが、グループステージを突破し、「チームが勝ったことが1番なので、自分の評価は気にしていない」。ポイントガードとして、「チームを背負って出ている人間として責任感は常に持ってプレーしています。学年に関係なく意見を言い合える仲が(九州)共立の良さです」とリーダーシップを発揮していた。 チームファーストが信条の上間だが、「プロを目指してバスケをしています」と自分自身の将来をしっかりと見据えている。「アグレッシブなディフェンスやオフェンスをし、スピードを生かしたドライブなどが持ち味。そこを意識しつつ、空いたらガンガン外のシュートも狙っています」というプレースタイルで勝ちにこだわり続ける。 「チームが勝つことが1番。そのために自分も点数を取って活躍しつつ、チームを勝たせることが1番だと思っています」 来年もインカレの舞台で、ドラフト前にもう一度アピールするチャンスをつかむためにも勝ち続けなければならない。
泉誠一