妻に先立たれ「自由だ!」「天国だ!」と全くならず…「なんでもない日常ばかり思い出されて仕方ない。あれが幸せだと今になって気づいた」
多くの夫婦は、最後にはどちらか片方が先立ち、どちらか片方が残されることに。そして夫を亡くした妻の余命にはさほど変化が無いとされる一方、妻を亡くした夫の余命は、平均に比べて約3割も短くなると言われます。そんななか、奥さんに先立たれたのちに作成した動画「ようやく妻が死んでくれた」が853万回再生を超え、大きな反響を生んだのがぺこりーのさんです。今回そのぺこりーのさんの著書『妻より長生きしてしまいまして。金はないが暇はある、老人ひとり愉快に暮らす』より一部を紹介します。 【写真】自分よりも妻が可愛がっていた愛犬 * * * * * * * ◆ついに自由を手に入れた ようやく私に自由な時間がきた。 30年以上、どこに行くのもいつも妻と一緒だった。 妻は出かける前の化粧や洋服選びに時間がかかるし、買い物の時間は長いし、荷物は持たされるしで、本当に一緒に出かけるのが億劫(おっくう)だった。 でも、これからはひとりでどこへでも行けるのだ。 まず何をしたいか? そうだ、妻が生前に溜め込んだ服や食器を捨てよう! まとめてゴミ袋に入れて、業者にでも引き取ってもらえばいいか。 気に入らなかったアジアン風の籐(とう)のベッドも、食器棚も本棚も全部捨てる! 50枚近くある犬の服も、こんなにはいらない。元々うちの犬は、服を着るのが嫌いなのだ。 これまで妻がうるさいから行けなかった友だちとの飲み会も、「毎晩でも付き合うよ」と友人たちにLINEしとこう! そうそう。 歌舞伎町のキャバクラのあみちゃんにも、もう堂々とLINEできるのだ。LINEの通知音も消さなくていいし、男の名前で登録しておく必要もなし!
◆天国とはこの世にあったのか ハァ~、気が楽だわ~。家でパーティーを開いてもいいな。 友人も知り合いのお姉ちゃんたちも呼んで、どんちゃん騒ぎをしよう! 散らかしても妻に怒られることはもうない。 う~む。遊ぶにも体力が必要だな。そうだ! ジムにでも行くか! また体を絞って筋肉をつけて、ジムの若いヨガの先生と仲良くなるのもいい。ふたりでセブ島あたりに行って、ビーチヨガを楽しむ! 夕日が海に沈む頃になると、ビーチのテラス席でカラフルなカクテルにストローを2本さして、ふたりで見つめ合って一緒に飲むのだ。 「私、ちょっと酔ったみたい……」と彼女。 私は鍛え上げた腕で彼女を難なくお姫様抱っこ。そのままホテルの部屋へと連れて帰る。天国とはこの世にあったのか!!
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