新年度に好スタートを切るために「学級納め」が大切な訳 次の学年にどう子どもたちを引き継ぐのか
1年間の締めくくりは「学級納め」で
2月に入り、今年度も残すところあと1カ月ちょっととなった。担任としてクラスを持つ先生方は、いつもどのような締めくくりをされているだろうか。フリーランスティーチャーの田中光夫先生は「学級納めも非常に大切」と話す。ここでは年度末、また新年度に向けて田中先生がどのような取り組みを行っているのか、田中光夫著『マンガでわかる!小学校の学級経営 クラスにわくわくがあふれるアイデア60』より一部抜粋、再構成して紹介する。 【マンガを見る】1年間の締めくくりと、年度始めに何をやるべきか 近年、毎年担任替え・クラス替えをする学校が増えており、「担任の持ち上がり」が減る傾向にあります。つまり「1年勝負」なわけです。 学校によってさまざまな取り決めがあります。いわゆる「学校スタンダード」と呼ばれるものです。賛否は置いておくとして、翌年担任する教師がどのような教師であっても子どもたちが「自分たちの力で学んでいこう」「仲間と協力して進んでいこう」という姿を期待したいものです。子どもたちは担任を選ぶことはできませんから。 そこで意識しているのが「学級納め」です。「学級開き」はよく耳にしますが、次の学年にどう子どもたちを引き継ぐか、現担任の手を離れた後にどうつなげるかという「学級納め」(学級終い)も非常に大切だと考えます。 私が学級納めをスタートするのは3学期開始からです。少々早いように思われますが、3学期は3カ月間もありませんから、意識するのに早いに越したことはないです。学級納めで意識するのは以下の4点です。 1. 学習の積み残しをしない 2. 自分たちで仲間と協力しながら学級を自治する雰囲気づくり 3. 進級後に役立つスキルの向上 4. 進級に向けた前向きな姿勢 学級独自の文化「学級文化」を引きずると、翌年の担任に「やりづらさ」も引き継いでしまいかねません。なので、できるだけフラットな状態に戻していくことも意識してきました。「担任が変わるとルールも変わります。次の先生のやり方に合わせられる力がみなさんには十分身に付いていますよ」というメッセージを送り続けながら学級の締めくくりを行っています。