車重600キロ切りまであとわずか! 超軽量スズキ「アルト」をDIYで仕上げて13キロもダイエット…狙うは「東北660選手権」での優勝です
大学生のときにモータースポーツ参戦を開始
毎シーズンのように新しいヒーローが誕生する、新規格NAエンジンの軽自動車で争われるレース「東北660選手権」の3クラス。経験豊富なドライバーが延々と居座り続けることのないよう、表彰台を獲得した回数が規定に達したら参加できないルールがあります。そんな入門クラスで頭角を現した、HA23型スズキ「アルト」を駆る大堀斗夢選手を紹介。山形大学の自動車部に所属しながら大学院へ進学し、今年から社会人となった彼のモータースポーツ人生と、開幕戦で最軽量を記録したクルマ作りに迫ります。 【画像】やれるところは全部やる!「アルト」でとことん追求する軽量化へのこだわりを見る(16枚)
軽量化に徹底的にこだわる
東北660選手権の開幕戦が行われたスポーツランドSUGOはギヤ比の面でダイハツが有利といわれ、とくに最終コーナーからの上りではHA23型スズキ「アルト」が太刀打ちできないとされている。大堀選手はそんな俗説を見事に打ち破り3位に入賞、彼にとって記念すべき初めての表彰台だった。 初めてサーキットを走ったのは20歳のときで、自分たちの部が主催するイベントだったという。翌年は部車で東北660耐久レースにデビューするが、学業を優先し休んだシーズンもあり、スプリントレースである東北660選手権へ本格的に参戦し始めたのは大学院に入ってから。その際に大きな影響を受けたのは、自動車部の先輩であり、東北660選手権でチャンピオン経験もある塩野力也選手だ。 大堀のアルトは東北660・HA36カップに参戦した塩野選手からのレンタルで、自身で手をかけたのは各部のオーバーホールや軽量化くらいとか。とはいえ学業との両立が大前提だけにアルバイトをする時間は少なく、戦闘力を高めるには予算ではなく手間と時間をかけるしかなかった。 もっとも手軽かつ効果が大きいのは、誰もが想像できるとおり軽量化。まさに「チリも積もれば山となる」の気持ちで地道に削っていき、最終的には塩野選手が乗っていたときの615kgから10kg以上も軽い602kgに。開幕戦では、さらなる成績の向上と14年目を迎えた東北660シリーズでも数少ない600kg切りを目指してほしいと、2024年から設けられた「ハートビート賞」にも輝いている。 ハートビートとはFRPの軽量パーツを数多くリリースしているメーカーで、東北660シリーズでもカテゴリーを問わず愛用者が多い。選ばれた人には好きな軽量パーツがひとつプレゼントされ、大堀選手は前から気になっていたというリアゲートを選択した。2024年6月30日にエビスサーキット東コースで行なわれる第2戦では、より戦闘力をアップさせた大堀選手のアルトが見られるはずだ。