試合中に卒倒のボーベが意識回復「今回の心停止は“トルサード・ド・ポアント”と呼ばれる不整脈の一種で、直接の原因は血中のカリウム値が…」【現地発コラム】
12月1日にフィレンツェのスタディオ・アルテミオ・フランキで行なわれたイタリア・セリエA第14節、フィオレンティーナ対インテルで前半17分、フィオレンティーナのMFエドアルド・ボーベ(22歳)が突然ピッチに倒れ込んで意識を失うというアクシデントが発生。即座に救急車で、フィレンツェ市内のカレッジ大学病院に搬送された。 【画像】ボーベの無事を知らせるフィオレンティーナの投稿 2021年に行なわれたEURO2020のデンマーク対フィンランドでクリスティアン・エリクセンに起こったのと同様、ボーベも心房細動による急性心不全で一時的な心停止状態に陥ったと見られている。迅速な救護活動のおかげもあって、病院に到着した時点では心拍と呼吸を取り戻し、意識も回復していたが、そのまま集中治療室に運ばれると、経過観察のため薬物による鎮静状態に置かれて一夜を過ごした。 幸いにも、一夜明けた2日朝には完全に意識を取り戻しており、面会に駆けつけた両親やガールフレンド、ラッファエレ・パッラディーノ監督やチームメイトに「大丈夫だよ」と笑顔を見せたと伝えられている。 ボーベが倒れたのは、インテルのラウタロ・マルティネスが決めたゴールを取り消した審判団の判定を巡る抗議で、プレーが止まっていた時のこと。最初に気付いたチームメイトのダニーロ・カタルディが、気道確保のため口に手を入れて舌を動かす処置を取り、両チームの選手たちが周囲に集まって視界を遮るなかで救急隊員によって心臓マッサージを受け、担架に乗せられるとピッチサイドに待機していた救急車で病院に運ばれた。 スタジアムが異様な静寂に包まれるなか、事態の一部始終を間近で目の当たりにした両チーム、とりわけフィオレンティーナの選手は動揺が激しく、ロッカールームに戻る間にも目に涙を浮かべている選手は少なくなかった。 フィオレンティーナでは、今から6年前の2018年、当時の主将ダビデ・アストーリが遠征先ウディネのホテルで急死。さらに今年3月にもクラブの経営責任者ジョー・バローネが、やはり遠征先ベルガモのホテルで心不全を起こして世を去るなど、悲劇が続いてきただけに、ショックが大きかったことは容易に想像できる。
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