「与論十五夜踊」準備進む 沖縄訪れ大綱わら調達 与論町城集落
与論町城集落(吉井満秀自治公民館長)関係者は8月31日~9月1日、沖縄・国頭村の奥間集落を訪問し、旧暦8月15日(今年は9月17日)に奉納される国指定重要無形民俗文化財「与論十五夜踊」に向け、大綱作りに使うわらを分けてもらい、交流を深めた。 与論十五夜踊は毎年旧暦3、8、10月に奉納される。8月は最も盛大に行われ、踊りの後に大綱で無病息災を祈願する綱引きがある。 近年、水田の減少に伴いわらが不足しており、今年は同じく旧暦8月15日に伝統行事「奥間大綱引き」を開催している奥間集落にわらを分けてもらえないか依頼。沖縄との交易が盛んだった昔を再現し、集落役員ら計6人が漁船2隻で同集落へ向かった。 奥間では、現在準備が進められている奥間大綱引きの綱作りを見学。技術を学ぶとともに、住民20人余りと交流を深めた。
9月7日には持ち帰ったわらなどで大綱作りを行った。城集落住民と、今年新たな観光プログラムとして受け入れた観光客モニター5人など計約70人が参加。力を合わせて大綱と地主(とこぬし)神社の鳥居を飾るしめ縄2本を作り上げた。 自身の漁船を出してわら調達に参加した城集落の保喜久男さん(70)は「綱作りの基本は同じだが、違うところもあり、技術を学べてよかった。今回の綱作りに実際に取り入れることができた。これからも交流を続けられたら」と充実感を語った。 2軍に分かれて行う奥間大綱引きの北軍隊長を務める比嘉善太さん(40)=奥間=は「台風の影響で、交流会が当初の予定から1日遅れたが、多くの住民の参加があった。綱編みを体験してもらい、その体験を与論でも生かせたとの報告があったので、とてもいい交流になった」と振り返った。