統合失調症の姉を南京錠で監禁した両親。“家族という存在”を20年追い続けた監督の「真意」
19歳のときに衝撃を受けた「作品」
――これまでで最も影響を受けたドキュメンタリーは? 藤野:小川紳介監督の『1000年刻みの日時計 牧野村物語』です。19歳のときに札幌で上映されているのを観ました。非常に長いドキュメンタリーで、昼から観始めて劇場を出たときにはもう外は真っ暗になっていたのを覚えています。 あれを観て、それまで自分の中だけで考えていたことが、実は自分の知らない世界には全く違う考え方をして生きている人々がたくさんいることに気づきました。小川監督は13年ほど牧野村に住み込んで撮影されたそうですが、どうしたらそんな長期間にわたって、こんな作品を撮ろうとするのだろうと、本当に考えさせられました。 <取材・文/シルバー井荻> 【シルバー井荻】 平成生まれのライター、編集者。ファミマ、ワークマンマニア。「日刊SPA!」「bizSPA!フレッシュ」などの媒体で執筆しています
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