ドレイクやジェイムス・ブレイクも注目するシャーロット・デイ・ウィルソン その音楽の根底にあるものとは?
――シャーロットさんの記憶に残る“青の時代”、また「Cyan Blue」の制作中に出会った「青」について教えてください。
シャーロット:アルバムに「Cyan Blue」と名付けた理由の一つは、最初に出会ったパートナーに、私の目はシアン・ブルーだと言われたから。だからこのアルバムは基本的に、グリーンとブルーをした私の目そのものなの。そして、初恋が人生においていかに大きな変化をもたらすかということを思い出した。その“時代”というのは、人生の中で全てがとても重く、とても意味深く、とても豊かな感情に満ち溢れていたのを覚えている。それで、もう一度あの目を通して人生を見つめ直したい、あの目を通して音楽を感じたい、あの目を通して自分の感情を取り戻したいって思ったの。
他にもそういう経験をたくさんしたわ。甥っ子がクレヨンを拾ったんだけど、その色がまさにシアン・ブルーだった。で、母のところに行って「すごくいい色だね」って言ったの。すると母は「あら、本当にそうね」って、そしたら彼は、まるで私の目のようだと言って。そういう小さな瞬間がたくさんあった。そして、周りの世界が意味を持っているように感じた。そんなふうにして私たちはみんな、自分の周りの世界につながりを見いだし、インスピレーションを得ようとしているんだと思う。
――その本では、“青の時代”を象徴するエピソードとして、ジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)の「Blue」についても触れられているそうですね。シャーロットさんにとっても、今回の「Cyan Blue」において「Blue」は大きなインスピレーションになりましたか。
シャーロット:ええ。ジョニ・ミニッチェルは、特にカナダの歴史において影響力のある重要なソングライターで。そして、彼女はロサンゼルスのローレル・キャニオンに引っ越して、そこで「Blue」を書いた。私もローレル・キャニオンで今回のアルバムをつくっていたので、どこか自分と重なるものを感じていた。自分の世界や、過去に影響を受けた人たちとのつながりを求める気持ちがあって。実際、「Blue」は音楽史に残る重要な作品だし、私を含めて多くの人たちにとって普遍的な共感を呼ぶ聖典的なアルバムだと思う。