【過去最大】直近のドル売り・円買い介入「約9.8兆円」…その“原資”が判明【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
5月2日も米国債売却で実施とみられ介入資金は十分用意可能との財務省の強いメッセージに
次に、4月末と5月末の外貨準備残高では、証券の残高が約504億ドル減少し(図表2)、外貨準備残高減少の主因となっており、日本時間の5月2日早朝に実施されたとみられるドル売り・円買い介入は、引き続き米国債の売却を伴ったと推測されます。なお、4月と5月の証券減少額を、それぞれ介入直前のドル円レートで円換算して合計すると、約10兆6,380億円となり、前述の外国為替平衡操作額9兆7,885億円を十分カバーしています。 なお、前回は2022年9月22日と10月21日、24日にドル売り・円買い介入が実施されましたが、この時も今回と同様、外貨準備のうち証券の残高が大きく減少し、米国債を売却する形で介入が実施されたと考えられています。このような外貨準備の残高変化をみると、為替介入が必要な場合は、米国債を売却する形で十分なドル資金を用意できるという、財務省からの強いメッセージがうかがえます。 (2024年6月12日) ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【過去最大】直近のドル売り・円買い介入「約9.8兆円」…その“原資”が判明【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』を参照)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
【関連記事】
- 【過去最大】直近のドル売り・円買い介入「約9.8兆円」…その“原資”が判明【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
- 【日銀会合】国債買い入れ、もし「減額決定なし」でも早晩に何らかの決定が示される可能性は高い【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
- 「超円安リスク」と「円急騰シナリオ」…ただ事では済みそうにない“ドル円の今後”【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフグローバルストラテジスト】
- 「大谷翔平選手がホームランを打つと、日経平均株価が上昇する」というスゴい現象【エコノミスト・宅森昭吉氏】
- 30~50代の5人に1人が「新NISAを始めました!」でも…「新NISAはやめておけ」といわれる7つの理由