守田英正がいないと危うい…。サッカー日本代表には“ムラ”が生じている。W杯で致命的になり得る課題【西部の目】
19日、サッカー日本代表はFIFAワールドカップ(W杯)26・アジア最終予選の中国代表戦を迎え、3-1で勝利した。ターンオーバーを採用し前回のインドネシア代表戦から先発を5人入れ替えた日本だが、均衡状態の中でもセットプレーから得点をもぎ取る勝負強さを見せてくれた。一方、浮き彫りとなった2つの課題とは?(文:西部謙司) 【最新順位表】2026年ワールドカップ(W杯)アジア最終予選
⚫️勝負強い日本代表。セットプレー2発
前半にCKから2ゴール、後半に1点返されたものの、すぐに3点目を入れて勝利。サウジアラビア代表がインドネシア代表に敗れ、次のバーレーン代表戦に勝利すれば日本代表の予選通過が決まることになった。 結果的に楽々と予選を通過しそうな気配が濃厚になってきたわけだが、インドネシア戦に続いて楽勝と呼ぶにはひっかかりのある試合内容ではあった。 中国代表は日本のビルドアップをある程度制限できていた。30分を経過してもこれといった決定機を作れず。39分に久保建英の左CKを小川航基が見事なヘディングで沈めて先制。 アディショナルタイムに伊東純也の右CKをニアで町田浩樹が合わせ、ゴール前を通過したところに板倉滉が飛び込んで2-0。流れの中でチャンスを作れなくてもセットプレーで得点する勝負強さをみせつけた。 ただ、中国の守備隊形をずらす変化はなく、インドネシア戦でそれを先導していた守田英正と鎌田大地の不在、2人の影響力の大きさを感じさせる前半だった。
⚫️徹底されていた日本対策
日本はインドネシア戦から先発5人を入れ替えた。超攻撃型3-4-2-1システムの象徴であるウイングバックは伊東、中村敬斗が先発。守田と鎌田に代わって田中碧と久保。3バックの右が橋岡大樹から瀬古歩夢へ。 対する中国は4-3-1-2。2トップにトップ下を含めた3人のうち、2人は遠藤航、田中のボランチをマーク。残る1人が3バックのボールホルダーに対峙する形で守っていた。 日本の3バックにはほとんどプレッシャーがない状態。しかし、中国の4バックと3ボランチのラインはそれぞれ1人が余る形で守っていた。 ボランチ経由でのビルドアップがやりにくい日本はDFからボールを前へ送るが、そこは前記のとおり中国側に2人の数的優位があり、さらにフィールドの横幅が若干狭くなるようにラインを引き直しているため横スライドも速い。 それでも日本は押し気味にプレーしていたが、前回対戦時のような圧倒的な優位性は出せず、随所にミスも発生させてしまう。 もし、守田がフィールドにいれば、何らかのビルドアップの変化を起こして、もっと有利な形で試合を進めていたのではないかと思う。