「自立している女性にとって結婚はなんの意味があるのか」複数の異性を同時に愛することは現代社会での処世術
分散恋愛をするようになった理由
――そもそもなぜ村上さんは分散恋愛をするようになったのでしょうか? 私に結婚(法律婚)願望がないからですかね。 ――なぜ結婚したくないと思うのですか? 私の周りの結婚している人たちがあまり幸せそうに見えないからです。 ――それはなぜですか? 私は医療従事者なのですが、職場の女性は、夫よりも稼いでいるケースが多いんです。結婚後の生活費も女性の方が多く出している。それなのに育児もほとんど女性がワンオペでやっているケースを見てきて、「それって対等じゃなくない?」と思いました。 ――周りに経済的に自立している女性が多いのですね。 そうですね。それで、経済的に自立している女性にとって、結婚ってなんの意味があるんだろうって考えるようになったんです。私は絶対にこどもがほしいという強い願望もないので、なおさらそう思うのかもしれません。「(特定の人と)つきあう」のゴールが「結婚」だとしたら、私にはその必要はないなと考えました。
分散恋愛のメリットとは?
――複数のパートナーをつくる分散恋愛のメリットはありますか? 普通の恋愛なら、デートもセックスも特定の彼氏ひとりにすべてをゆだねる=ある種の依存関係だと思うのですが、パートナーを分散すれば、依存先も分散している状態なので、自立した関係が築けるのではないかと思います。 ――ひとりに依存しないつきあいかたができるということですね。 そうですね。ひとりのパートナーと向き合うことから逃げているように思う人もいるかもしれないけれど、今の時代、ひとりのパートナーだけにすべてを託す方がリスクが高い気がしています。 ――それはなぜですか? たとえば安定した会社に勤めていたとしても、いつその会社が倒産するかわからない時代じゃないですか。だから副業や兼業とかで収入源をいくつか持っておく……みたいな働き方をしているほうが、経済的に自立しているといえる時代だなって思うんです。 恋愛や結婚も同じで、相手がいつどうなるかわからない。 依存先を分散させてたくさん持っておくことが、不安定な時代を生き抜く処世術だと思っています。
取材・文/毒島サチコ