ドジャース・大谷翔平、MVPに続く新勲章〝MVB〟 得点生み出す世界一の盗塁技術
米大リーグ公式サイトは16日(日本時間17日)、映像解析システム「スタットキャスト」による走塁部門の新指標を発表した。今季メジャー史上初となる「50本塁打、50盗塁」を達成したドジャース・大谷翔平投手(30)は、盗塁における最も価値のある走者を示す「Runner Stealing Runs」でメジャートップの「+7」をマーク。59盗塁でわずか失敗4と、驚異の成功率(.937)を見せた盗塁技術が数値化され、大谷の走塁面での価値が証明された。 今季ともにリーグ最多の54本塁打、130打点をマークし、2年連続で最優秀選手賞(MVP)を獲得した大谷が、〝MVB〟にも輝いた。MLB公式サイトは走塁、盗塁における新指標を発表。今季リーグ2位の59盗塁を記録した大谷は、盗塁でどれだけ多くの得点を創出したかを示す「Runner Stealing Runs(盗塁得点価値)」でメジャートップの「+7」をマークした。 「大谷は『Most Valuable Basestealer(最も価値のある盗塁走者)』だった」 同サイトでデータ部門を担当するデビット・アドラー記者が特集した。同指標は盗塁の成功だけでなく、失敗も合わせた得点創出を表した指標。成功の利点より、失敗のリスクが大きい盗塁において大谷は今季59盗塁で失敗はわずか4。盗塁成功率は・937だった。デラクルス(レッズ)はメジャートップの67盗塁を記録したが、失敗数16で成功率は・807。同指標は2位の「+6」だった。より高い精度を誇った大谷が同指標では1得点分、上回った。 また、どれだけ先の塁を獲得したかを示す「Net Bases Gained(獲得塁数)」ではデラクルスに次ぐ2位。次の塁を狙う積極性を示す数値で、デラクルスはメジャー平均に対し「+40」をマークし、大谷は「+34」。同サイトは「大谷は盗塁死でデラクルスのように大きく価値を落とすことなく、積極的な盗塁で同程度のプラスを生み出した」と大谷の盗塁がいかに優れているかを強調した。 打者専念のシーズンで例年より大幅に盗塁数を増やした大谷は「いい姿勢で構えて反応できれば、いいスタートが切れる。しっかり(一塁へ)戻れる自信があることがスタートを切る、または二塁に進んでいく過程で大事」とリードの姿勢と帰塁の重要性が秘訣(ひけつ)だったと明かし、「成功数よりも、失敗数を特に大事にしたいと思っている。成功する割合が高ければ、それが勝利につながる可能性が高い」と自身の考えを語っていた。
投手と打者だけでなく、走者としての高い可能性を示した2024年。メジャーが15年から導入するスタットキャストはたぐいまれな盗塁技術を見逃さず、数値化することで大谷の価値をさらに高めた。