“札付きやんちゃ坊主”が最高のキャプテンに! 甲子園目指す祐誠(福岡)の主将「母からの手紙で号泣したあの日」
昨夏の選手権福岡大会でベスト8に進出した祐誠は、初戦となった2回戦で香住丘を6対1で破り3回戦進出を決めた。 【トーナメント表】夏の福岡大会 6日までの結果一覧 主将で捕手の清水 優太(3年)は、「少しずつ自分たちの野球ができるようになり、状態は良くなってきている」と手応えを感じながら最後の夏に臨んでいる。 「本当にキャプテンシーが高い。すべてにおいて私の分身です」と、関本康弘監督も全幅の信頼を寄せる清水。西田川ボーイズから鳴り物入りで入学し、早くから正捕手として活躍が期待されたが、その頃はやんちゃな少年だった。見かねた関本監督は1年生大会で清水をベンチから外すことを決断し、自身の行動を見つめ直すよう促した。 この決断が大きなターニングポイントとなった。 「実は1年生大会前に、清水のお母様から手紙をいただいたんです。〈遠くから応援しているので、自分の行いを反省して、もっともっと成長してもらいたい〉と、彼に対する思いが綴ってありました。その手紙を本人に読み聞かせると、ボロボロと涙を流したんです。大会でも、グラウンドに立てないもどかしさを感じたようで。それから見違えるように彼は変わったんです。あのやんちゃ坊主が」(関本監督) グラウンドでは率先して声を出し、投手陣にも積極的に声かけを行う。そのひたむきな姿に自然とチームメイトの信頼も集まり、2年生で正捕手に、さらに新チームではキャプテンを任されるようになった。 「両親には迷惑しかかけてなかったので、自分がしっかり試合に出て両親を喜ばせたいなと思って気持ちを入れ替えました。最後の夏はチームの勝利のために、去年の経験を活かして全員を引っ張っていきたいです」(清水) 両親の愛情、そして指揮官の粘り強い指導が生んだ「心の成長」。恩返しを使命に、清水は最後の夏を戦う。