内定倍率を把握し、失敗のない企業選びを実現しよう 売り手市場とされる大卒の就職活動 プロが指南 就活の極意
売り手市場といわれる現在の大卒(大学院卒含む)就職活動。毎年、約45万人の学生が就職活動をしていますが、その中で大手企業の新卒採用枠は約17万人と直近20年間の中で最も採用枠が多いのが今年の就職活動となっています。そのため、4割弱の学生が大手企業に就職できるなど学生からすると大手企業に入社できる可能性が高くなっています。そのせいか、大手企業志向が5割を超えるなど学生の大手企業志向が加速しています。しかし、業種や従業員数などによっても内定倍率は異なり、簡単に内定が獲れるわけではありません。 ■内定倍率とは 就職活動でも、受験の合格倍率と同じように、内定倍率といわれるものがあります。内定倍率は、応募した学生の人数を内定者数で割った数で示されます。この数字によって、どれくらいの確率で内定を得られるのかがわかります。応募前にぜひ知っておきたい数字ですが、企業によっては非公表の場合もあるため、把握が難しいのが実情です。参考としては、「就職四季報」と呼ばれる就活本があります。大学の就職課や図書館に所蔵してあることが多いので、一度目を通してみることをおすすめします。 ■倍率が高い企業=内定者数が少ないのにエントリーする学生が多い企業 例えば、超人気企業のA社にエントリーした就活生が1万人いたとします。でもそのうち1万人全員を採用する企業なら、倍率は1倍しかありません。それに対し、1万人のうち、100人を採用する企業だと、倍率は100倍になります。ここから分かることは、人気企業でも、内定者数が多ければ倍率は高くなりません。 志望就職先の内定倍率の高い企業の特徴としては、一般的に、衣食住に関わる仕事といえます。仕事内容のイメージがつきやすいので、志望する学生が多い傾向があります。その中でも、後述しますが食品関連の企業は学生に大変な人気を誇ります。 ■中小企業は内定倍率が低い!? 内定倍率が高くなるのは人気企業が多い大手企業ばかりで、中小企業やベンチャー企業などは倍率が低いと考える方は意外と多いです。大手企業と比べて、中小企業は数が多いので内定倍率が低い会社も多いのですが、必ずしも「中小企業=内定倍率が低い」というわけではありません。経営が安定したり技術力があったりする中小企業は人気もあり、また大手企業と比べて採用枠数も少ないことから内定倍率が高くなる傾向にあります。