初代ガンダム「テレビ版」と「劇場版三部作」、初見の人に薦めるなら「どっちが正解?」
最近ではテレビアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』、映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』などが製作され、来年公開&テレビ放送される新作アニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』も発表された。 ■【画像】「映画館がザワついた…」セイラの入浴シーンは劇場版で大幅改変 令和になってもガンダムシリーズの人気は衰えないが、最近のファンのなかには、初代『機動戦士ガンダム』を観たことがない人も結構いるという。昭和に生まれた作品ではあるが、ガンダムシリーズを楽しむうえで履修しておきたい原点の作品でもある。 しかし初代『ガンダム』を今から観るとなると、「テレビアニメ版」と「劇場版」のどちらを観ればよいのか悩んでしまい、二の足を踏む人も少なくないようだ。 そこで、本記事では、初代ガンダムのテレビアニメ版と劇場版の内容をあらためて比較し、どちらから観るべきなのか、視聴者目線で考えてみよう。
■内容の密度の濃さは、当然「テレビアニメ版」
まずは基本的な情報からおさらいしていきたい。初代『機動戦士ガンダム』は、1979年に放送が開始されたテレビアニメ。すべてのガンダムシリーズの原点であり、ロボットアニメの金字塔として世界中にファンを生み出した作品である。 アムロ・レイやシャア・アズナブル、あるいはモビルスーツといった言葉は、初代ガンダムを観たことがない人も聞いたことがあるだろう。 そして初代ガンダムには劇場作品も存在する。これは1981年から1982年にかけて公開された映画『機動戦士ガンダム(劇場版)』、『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』、『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙(そら)編』という3つの映画を指す。 この劇場版3部作は、テレビアニメ版を再編集した内容になっており、基本的なストーリーはテレビ版を踏襲している。いわばテレビアニメの大まかなストーリーを映画3本に凝縮した、総集編的な位置づけともいえる。 テレビアニメは全43話構成ということで、各キャラクターにフォーカスをあてたり、細かい心理描写までフォローされていたりと、濃密なストーリーが展開される。一方、劇場版3部作では尺の都合でカットされたセリフやエピソードがあるのはいうまでもない。 つまりテレビ版をじっくり観たほうが内容は濃く、初代ガンダムのストーリーに対する理解度がより深まるのは間違いないだろう。こうした点を踏まえ、時間的な制約がないのであればテレビアニメ版を観るべきだ、という意見も多いはずだ。 しかし劇場版3部作のほうも作品としての完成度は高く、テレビアニメ版にはない演出や新規カットが存在している。