■結局、どっちを観た方がいい?

　非常に悩ましい部分だが、テレビアニメ版と劇場版の「どちらも観てほしい」というのが、往年のガンダムファンの偽らざる本音だろう。 　しかしテレビアニメ版の最大のネックは、全43話という長編アニメならではのボリュームに尽きる。それと比較すると劇場版3部作は各作品120分を超える大作ではあるものの、テレビ版よりはるかに短い時間で観ることができる。 　つまり時間がある時ならば、「テレビアニメ版を観てから劇場版」という流れが最適解のようにも思える。 　ただし、いかに『機動戦士ガンダム』が名作とはいえ、作品が合わない可能性だってありうる。それを考慮すると、個人的には劇場版三部作を通して観て、大まかなストーリーをつかんだ上で、合う合わないを判断することをおすすめしたい。 　そして劇場版を観て初代ガンダムに興味を持ったなら、次にテレビアニメ全43話を消化するのはどうだろうか。 　実は劇場版三部作にはカットされてしまった部分には、テレビアニメ版屈指の名エピソードが多数含まれている。劇場版でガンダムの世界観やストーリーに魅了された人なら、削られた名エピソードもきっと楽しんで観られることだろう。 　ちなみに劇場版三部作には「特別版」と銘打たれた映像作品もあるが、そちらは一部の効果音や音楽、声優などが劇場公開時とは異なっている。個人的にはオリジナルの劇場公開版を観ることをおすすめしたい。