60歳で定年退職するけど、退職金に「確定申告」は必要? 確定申告すると「得になる人」について解説
退職金は通常の給料とは異なる面が多いため、確定申告が必要かどうか、悩む人もいるのではないでしょうか? また、毎月の給料でも多くの所得税や住民税が引かれている中、退職金にはどれくらい税金がかかるのかが気になる人もいるでしょう。 本記事では退職金に確定申告は必要なのか、したほうが得になるのはどういう人なのか、そして退職金が2000万円の場合にどれくらい税金がかかるのか解説します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
退職金とは
退職金とは、従業員が退職する際に企業から支給されるお金のことです。 退職金は法的に義務付けられたものではありませんので、退職金制度がなくても違法というわけではありません。とはいえ、日本では多くの企業に退職金制度があります。 退職金があるのかどうか、どれくらい支払われるのかについては、企業が定める退職金規程などを確認しましょう。
退職金の確定申告は基本的には不要
退職金の確定申告は基本的には不要です。退職金は通常、企業に「退職所得の受給に関する申告書」を出すことで、退職所得控除を考慮したうえで所得税・復興特別所得税・住民税が源泉徴収および特別徴収されます。 申告書は多くの場合、企業から従業員に対して提出を求められます。一般的に、会社員は企業の指示に従って申告書を提出すれば、処理は進んでいくと考えてよいでしょう。
退職金の確定申告をしたほうが得になる人
退職金の確定申告は基本的には不要ですが、場合によっては確定申告をしたほうがお得になる人もいます。 例えば、「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に出していない場合、退職所得控除の計算がされません。そして、受け取る退職所得の全額に一律で20.42%の所得税・復興特別所得税が源泉徴収されます。 この場合、確定申告により払い過ぎた税金の還付が受けられますので、確定申告をしたほうが税金上お得といえるでしょう。 また、通常、会社員は年末調整で正しい納税額を確定させますが、年の途中で退職して年末調整がされていない場合、所得税が精算されません。このように年の途中で退職し、年末調整をしていない人も確定申告をすると税金が還付される可能性があります。 他にも、医療費控除や寄附金控除を受ける場合、住宅ローン控除がある場合なども、退職金の確定申告をしたほうが、所得税が還付されてお得になるかもしれません。