【イマドキの大学ゼミ】「現地で、言葉を失った」 能登半島地震の液状化現象を調査
「私は液状化現象のことしか考えていませんでしたが、規矩先生とお話しし、その土地がどうやってできたのかという歴史を含め、多角的な視点から地盤を見ることが大事だとわかりました」 地盤の成り立ちを調べると、1960年代に河北潟を干拓するための土が必要になったので、砂丘を切り崩して砂を取り、いったん湖のようになったところを砂で埋め戻していたことがわかりました。土地の歴史から、なぜ液状化したのかを納得することができたのです。深澤さんは、調査した内灘の液状化被害のデータ解析を行い、土地の歴史的背景もふまえ、なぜこの地域が液状化の被害にあったのかを卒論にまとめる予定です。
巨大なものにワクワク感
理工学部では、3年後期から研究室に入ります。最初から地盤に興味を持っている学生もいれば、大学生活の最後の一年をこの忙しい研究室で真面目に過ごしたいと考える学生もいます。深澤さんは規矩教授の授業を受けたことから、この研究室を選びました。 「地盤は高校では習ったことのない分野でしたが、規矩先生の授業では写真や図を使ってわかりやすく説明してくれました。それで地盤に興味を持ったのです。研究室では現地調査に行くので、授業で学んだことが何に役立つのかがわかりますし、調査方法などを実際にやってみることもできます」 規矩教授の研究室では、約4割の学生が大学院に進みます。学部生と大学院生の就職先は、国土交通省、県庁、市役所などの公務員、コンサルタント会社、ゼネコンと海洋土木に特化したマリコンが主で、ほとんどの学生が建設関連の仕事に就きます。深澤さんは大学院進学を希望しています。 「もう少し地盤のことを学びたいのと、単純に研究が楽しいからです。高校では勉強があまり好きではありませんでしたが、研究室に入って面白くなりました。将来はゼネコンに就職したいと考えています。橋やダムのように巨大なものを相手にできるワクワク感が土木の魅力です」
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