教習所でつまずく人多数! 縦列駐車のコツは?
運転操作の中でも、難易度が高いのが「縦列駐車」です。卒業検定を控えた教習生からベテランドライバーまで、縦列駐車に苦労する声は多く上がっているようです。縦列駐車の方法や、上達させるためのコツをご紹介します。 【動画と写真】縦列駐車のコツを解説!
「難しすぎる!」免許取得の難関、縦列駐車
縦列駐車とは、道路脇に一列に駐車しているクルマとクルマの間のスペースに、さらにクルマを停める駐車方法のことです。運転に慣れているドライバーの中にも苦手意識を抱いている人が多く、特に教習所では縦列駐車ができずに卒業検定に不合格になった人も一定数いるようです。 実際、株式会社NEXERと静岡の合宿免許教習所を紹介するWebサイト「合宿免許in静岡」が共同で行った「クルマの運転で難しいことに関するアンケート」では、「運転をしていて難しいと感じたことがある」と回答した人のうち、56%が縦列駐車を難しいと感じたと回答しています。 縦列駐車を苦手とする理由としては、「後方のクルマとの車間距離がわからない」、「前にも後にもぶつからないようにと神経を使う」、「ハンドル操作が多く、切り方がわからない」などがあげられています。また、縦列駐車は教習所でしかやったことがないという人も多く、運転免許取得後に縦列駐車の経験を積む機会が少ないことも苦手意識を生む要因となっているようです。 しかし、都内でよく見られるパーキングメーターを利用する時など、状況によっては縦列駐車が必要となる場合もあります。そのため、いざというときに縦列駐車ができるよう、コツをしっかり押さえておくことが大切です。
縦列駐車のコツは?
縦列駐車の方法とコツをまとめたので、確認してみましょう。 ①前のクルマの隣に停める 駐車の前に、まずは停められるスペースが十分にあるか確認しましょう。縦列駐車をするためには、自分のクルマの車長に対して1.5倍以上のスペースが必要になります。そして、スペースが十分にあることを確認したら、ハザードランプを灯けて駐車の意思を周りに示しながら、前方のクルマの横に並行になるようなイメージで停車します。このとき、ドアミラーやBピラーの位置を合わせるように意識することがコツです。また、隣に並ぶクルマとの間は1mほど空けておく必要があります。この間隔を誤ると、後でハンドルを切るときに上手くいかなくなるので注意しましょう。 ②ハンドルを左に切って後退 前方のクルマの横に停車したら、ハンドルを左にいっぱい切って、ゆっくりとバックします。すると、右のドアミラーに後方のクルマが映るようになります。後方のクルマ全体がドアミラーに映ったら、一旦停止しましょう。 ③ハンドルを戻してバック そして右に切る 次に、ハンドルをまっすぐに戻してゆっくりバックします。自分が乗っているクルマの左前角と、前方のクルマの右後角が一直線上になったら、右へハンドルを切ります。 教習指導員によると、この時、次のようなことに気を付ける必要があるそうです。 「ハンドルを早く切りすぎると前のクルマにぶつかってしまい、逆に遅く切ってしまうと左後側が壁や縁石に当たってしまいます。もし、ハンドルを切ったときに駐車スペースへの入りが右寄りになっていて浅いと感じたら、一度戻してから、ハンドルを切るタイミングを遅らせてみてください。また、ドライバーの身長差によって座席の前後感覚が変わるため、駐車スペースに対して右にはみ出して停めてしまうケースは多いです。そのため、一気にハンドルを切るのではなく、少しずつ適宜微調整しながら停めるように意識しましょう」 縦列駐車では、前後のクルマとの間隔に注意しながら、慌てずにゆっくり停めることが大切です。ハンドル操作がやや複雑ではありますが、上手くいかなくても少しずつ調整していくことでベストなタイミングが見つけられるので、落ち着いて挑戦しましょう。
文=大門道子