アルピナの未来、26年「BMW傘下」でどう変わる? 高性能EV&Mモデルとの差別化を考える
電動化で新たな進化
2026年以降、BMW傘下となったアルピナモデルにはどんな特徴が出るだろうか。 アルピナはこれまで、BMWの各モデルに独自のチューニングを加えてきた。今後もこの流れが続き、BMWの主力モデルである5シリーズや7シリーズをベースに、ハイブリッド車や電気自動車(EV)モデルのアルピナバージョンが登場する可能性が高い。 特に、BMWが進める電動化に合わせて、高性能なEVやプラグインハイブリッド車(PHEV)の開発が進むと予想される。また、アルピナ・XD3が成功を収めた背景には、ディーゼルスポーツタイプ多目的車(SUV)市場の需要に応えたことがあり、今後もこのようなニッチなモデルがラインアップに加わるだろう。 アルピナモデルを語る上で欠かせないのは、BMWの 「Mモデルとの差別化」 だ。両者の大きな違いは、チューニングによる乗り味にある。BMWのMモデルは、サーキットでのパフォーマンスを重視し、アグレッシブな走行性能が求められる。一方、アルピナは日常的な使用を重視し、高速道路での長距離走行でも快適な乗り心地を提供することを重視しており、ここが大きな違いとなっている。 アルピナモデルは、Mモデルの硬いサスペンションとは対照的に、柔らかい乗り心地を提供し、ラグジュアリーなインテリアも特徴的だ。こうしたアルピナならではの特徴は、BMW傘下となっても引き継がれ、Mモデルとうまく共存する戦略が取られるだろう。
最終章であるB3GTとB4GT
XD3の魅力は、高性能なディーゼルエンジンとSUVとしての実用性を兼ね備え、ラグジュアリーでありながらパワフルな運転体験を提供する点だ。また、アルピナ独自の電子制御プログラムによって、アルピナらしい乗り味が実現されていることも評価されている。 XD3のベース車であるBMW・X3はアメリカのサウスキャロライナ州で生産されているが、XD3として仕上げるために、すべてドイツのアルピナに輸送され、そこでチューニングが施される。 さらに、年末にB3GTとB4GTが発売される予定だ。これらは ・アルピナの独自手法 ・BMWのテクノロジー が融合した最終モデルになる可能性が高く、将来的にはコレクターズアイテムとして価値が高まると期待されている。アルピナファンにとっては、まさにラストチャンスとなるだろう。
成家千春(自動車経済ライター)