難病「先天性ミオパチー」の9歳長女に「好奇の目を向けられたことも…」星野真里(43)が明かす、“病気への偏見”に娘が見せた驚きの反応
「社会福祉士」の試験を受けようと考えたワケ
「ふうかがいろんな人たちと関わってたくましく成長していく姿を見て、インクルーシブ教育がもっと浸透してほしいな、と考えるようになりました。でも、その実現にはまだまだ障壁がたくさんあります。 このまま何もしないでいると、ふうかはあっという間に大人になってしまう。変えるために長い期間がかかると分かっているなら、早く動かなきゃいけない。 まずはふうかの病気を公表することで、医療や福祉に興味を持つ人が少しでも増えたらいいなと。でも、公表するのは勇気が要るから、自分を鼓舞するための動機が必要だと考えていました。何か福祉系の資格を取ったら、ちょっとだけ自分に自信がついて、公表する勇気が出るんじゃないかな、と思ったんです」 ふうかさんの病気が発覚したことで、星野さんを取り巻く環境は大きく変化した。その変化は、星野さん自身の価値観にも影響を及ぼしているという。 「私はとても健康で、入院したのはふうかを出産したときくらい。ふうかが産まれるまでは、医療や福祉のことを全く知りませんでしたし、興味もありませんでした。 でも、ふうかを通じて医療や福祉とつながってみたら、私自身もたくさんの人たちや制度に支えられて生きてきたんだな、と分かったんです。 私のように医療や福祉について知る人が増えれば増えるほど、変わっていくこともたくさんあると思う。だからその第一歩として、私はふうかを通して見たもの、気づいたことを発信していこうと思っています」
いずれはメディアをつくりたい
医療や福祉について発信したい――。それは、ただの“願望”ではない。星野さんはすでに、具体的な方法も思い描いている。 「今はInstagramで発信していますが、いずれはメディアをつくりたいですね。大きな媒体にはならないと思いますが、私たちと同じように病気と向き合う人たちのインタビューを掲載したり、医療や福祉について幅広い情報を公開できる場にしたいです。 また、今は私たちから一方的に発信するのみですが、より深く知ってもらうには、相互につながることも大事だと思っています。だから、ライブなど直接お話をする場もつくっていきたい。人とのつながりが心を軽くしてくれるのは、ふうかの育児を通じて私自身が身にしみて感じていることですから」 撮影=佐藤亘/文藝春秋
仲 奈々