ロビー活動のターゲットになった「ファーストバディー」マスク氏…「知人からメッセージ爆弾」
トランプ次期米大統領の就任を控えて企業のロビー活動が激しくなる中、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が核心のロビー対象に浮上した。 ワシントンポスト(WP)は1日(現地時間)、ワシントンのロビイストがトランプ氏の最側近に浮上して「ファーストバディー(first buddy)」と呼ばれるマスク氏と接触する方法を悩んでいると伝えた。マスク氏はその間、ロビー活動を関連会社に任せず自身がする形式を選択してきたが、このためロビイストはマスク氏と意思疎通をするチャンネルを探すのに苦労しているという説明だ。 多くのグローバルビッグテック(巨大技術企業)の場合、CEOは政治と距離を置いてロビイストや政治コンサルタントを雇用する。ところがマスク氏は2022年8月にインフレ抑制法(IRA)制定された当時、成果が期待に及ばないロビイストとの契約を解除して自らロビー活動をした。その後、マスク氏はテスラ・スペースXの対官・広報業務を縮小し、関連予算を減らした。役員にはメディアを直接相手にしないよう指示した。 WPによると、ロビイストは伝統的な方式のロビー活動が難しい状況で、マスク氏の知人に「メッセージ爆弾」を送っている。マスク氏と仕事をした同僚やコンサルタントには「どうすれば彼と接触できるのか」と問う電話とメッセージが殺到している。一部のロビイストはマスク氏が所有するXを通じて公開的にメッセージを送ったりもしている。 ◆「マスク氏の影響力に技術企業の期待高い」 海外メディアはマスク氏が自身の企業に対する規制にも直接的な影響力を及ぼす可能性があると予想している。ウォールストリートジャーナル(WSJ)によると、マスク氏は政府効率化省と協力することになるホワイトハウス予算管理室(OMB)室長にトランプ政権1期目で室長を務めたラッセル・バウト氏を支持したが、実際にトランプ氏はパウト氏を指名した。ホワイトハウス予算管理室はテスラ・スペースXを監督する交通省・国防総省・航空宇宙局(NASA)の予算編成に影響力を行使でき、この数年間、テスラとスペースXのロビー対象になったところだ。WSJは、業界ではマスク氏が率いる政府効率化省と関連省庁が高熟練者の移民、人工知能(AI)、暗号資産、企業買収に友好的な政策を進めることを期待している、と伝えた。 一方、ブルームバーグはこの日、JPモルガンチェースがテスラを相手に提起した1億6200万ドル(約243億円)の訴訟を取り下げることにしたと報じた。JPモルガンの報道官はテスラと新しい商業的関係を結んで未解決紛争を解決することにしたと明らかにした。これに先立ちJPモルガンは2021年11月、テスラが新株引受権契約を違反したとして1億6200万ドルの支払いを求める訴訟を起こした。