暗号資産「推進しないと日本は時代遅れに」 SBI北尾氏が語る金融デジタル変革の可能性
「ウクライナ問題については、アメリカはトランプ氏が早期停戦を掲げており、ウクライナへの資金援助を縮小する可能性もある。そうなるとEUがどうカバーするのか。EUはドイツを中心に経済は決して良くないので、相当厳しい状況のように思います。アメリカ以外の世界経済は日本を含め良い状況が目に浮かばない」 ──エネルギー政策も変わりそうです 「CO2を削減することだけが地球環境を良くすることに本当に繋がるのかと、トランプ氏は思っている。だからもう一度、ガソリンの時代が来るかもしれない。そうなると、エネルギーコストは大幅に下がる。エネルギーを最も消費するのは一体何なのかというと、これからは、AIの進展によるデータセンター。これがあちこちにでき、爆発的なエネルギー需要を生み出していく」 「ソフトバンクやアマゾンもみんなエネルギー源を確保しようとしている。データセンターを運営する限り、相当なエネルギーがないといけない。よっぽど冷却システムで、良いものが開発されない限り、この状況が続く。そうすると、結局、CO2についてどうなのか、これがまた問われるし、おそらく、アメリカはトランプ政権下で積極的にそういうことを言う人が、出てくるんだろうと思う。また、新たな核融合や水素などを使ったエネルギー革命が起きていくかどうか、そういう瀬戸際にある」 ■デジタルを進めないと日本は時代遅れになる ──金融の分野ではいかがでしょう 「今までもデジタル革命と盛んに言われてきたが、ますますデジタルの方向に向かう流れが強くなる。この分野でも、トランプ氏が大きな革命を起こそうとしている。暗号資産、とりわけビットコインについて画期的なことを話し始めている。それは金融の世界を大きく変えうる話だ」 「伝統的なファイナンスの領域から、いわゆるDeFi(ディーファイ)と言われているデジタルファイナンスの領域に急速に移っていき、それらが一体化していく、一つのプロセスだと認識している。SBIグループも金融の世界で先駆けて、この流れをどんどん推進していかないと、日本は時代遅れになり、国際的競争に勝てなくなってしまう」