奨学金が返せないし生理用品も買えない…「結婚なんて無理ゲー」な若者の貧困
● 生理用品を買うのも苦労する女性 食費が捻出できず炊き出しに並ぶ 恥ずかしながら私自身、インタビュー調査を行なうまでは気づきませんでした。令和の女子高生・女子大生らの5人に1人(約20%)が、金銭的理由から、生理用品を買うのに苦労していることを(21年「#みんなの生理」調べ)。 「生理の貧困」は21年3月ごろ、SNS上で話題になり始めました。Z世代の女性たちから「同世代に声を上げてもらえて嬉しかった」「それまで毎月(生理が来るたび)、女に生まれて損したと思っていた」などと聞かされたのも、このころです。 とくに20年2月以降は、新型コロナによる「緊急事態宣言」が発令され、一時期アルバイト収入が減額になるなど、苦しい生活を強いられる学生も増えました。 翌年、私がレギュラー出演していたテレビ番組でスタッフが取材した女子大生は、三度の食費が捻出できず、朝から自治体提供の食料給付(無料)の列に並び、友人と道端の野草(食用可)を摘んで天ぷらにして食べていたほどです(「所さん!大変ですよ」NHK総合、同2月11日放映分)。笑顔の裏で悲鳴を上げていたことを知り、本当にショックでした。
21年の文部科学省の調査でも、なんらかの経済的な悩みを抱えている大学生・高等専門学校生が4割を超えています。学生(昼間)は雇用保険法上「労働者」として扱われず、先の奨学金問題も含めて、苦境が見えにくい難しさもあるでしょう。 社会保障が手厚い国として知られるフランスでさえ、コロナ禍で若者たちにまで経済苦境や生理の貧困が広がったほか、学生を中心に74%が、経済的理由から「定期的に食事を抜くなどしている」と回答したそうです(21年「国際ニュースナビ」NHK、2月18日掲載)。 半面、生理用品が買えない問題は、ハッシュタグ付きツイート「#生理の貧困」と呟かれたことで大きなムーブメントとなり、その後、全国の大学で「学内のトイレに生理用品を無償設置しよう」との動きが広がりました。また商業施設「ららぽーと」を展開する三井不動産など民間企業も、施設トイレへの生理用品の無料提供など支援サービスを導入するようになったのです。 私も、コロナ禍でとくに気をつけるようになりましたが、SNS上で若者と思しき人々の呟きをチェックすると、多少なりとも彼らの苦境が分かります。