次期米政権の関税政策、重要分野に限定か トランプ氏は報道否定
[6日 ロイター] - トランプ次期米大統領の側近は、国家安全保障や経済安全保障に重要な特定分野の輸入品にのみ関税を課すことを検討していると、米紙ワシントン・ポスト(WP)が6日報じた。一方、トランプ氏自身は報道内容を否定し、次期政権の通商政策を巡る不透明感が高まっている。 報道通りなら昨年の選挙期間中に示した公約から転換することになるが、計画は流動的でまだ確定しておらず、対象となる分野も不明という。 トランプ氏は自身のソーシャルメディアへの投稿で「存在しない匿名の情報源を引用し、私の関税政策が縮小されると誤って報じている。これは間違いだ」とし、「これはフェイクニュースの新たな一例に過ぎない」と述べた。 WPは「予備協議は主に、トランプ陣営が米国に戻したいと考えている幾つかの主要分野に集中している」と指摘。関係者2人の話として「(鉄鋼、鉄、アルミニウム、銅への関税を通じた)防衛産業のサプライチェーン、重要な医療用品(注射器や医薬品原料など)、エネルギー生産(電池、レアアース鉱物、太陽電池パネルなど)などが含まれる」と報じた。 この報道を受け、6日の欧米市場では株価が上昇。米ドルはトランプ氏の投稿後、主要な通貨バスケットに対する下落幅を縮小した。 全米商工会議所のジョン・マーフィー副会頭は、あらゆる状況が不透明なようだとした上で「一部関税案から多くの除外項目が出るという考えを静かに否定する意見は耳にしている」と述べた。 また、1期目の関税導入でインフレは加速しなかったが、国内外の投資や企業心理は顕著に低下したと指摘。「できるだけ早く透明性と安定を確保し、高い関税コストを可能な限り回避できる方が望ましい」と語った。