米ロイズ、成田空港至近に複合施設。食品R&D拠点など
米投資会社ロイズ・キャピタルは4日、成田空港至近で大規模複合施設の開発に着手すると発表した。商業施設やホテル、食品・農水産品のR&D(研究開発)・輸出促進拠点など、約38万平方メートルの複合施設を整備する。2027年3月から順次開業を予定する。
複合施設は成田空港から車で3分ほどの千葉県成田市小菅地区で取得した約46万平方メートルの敷地に開発する。共生バンク(東京都千代田区)が進めていた開発計画で、先月30日に同計画の特別目的会社を買収する契約を締結した。11月末までに完全取得し、ロイズが投資・開発を進める。年内に開発計画をまとめ、来年中の建設開始を目指す。
ランドマークとなる客席数5000席超の近未来型アリーナ「デジドーム」や成田地区最大級の客室数を予定するホテル、商業施設、データセンター、AI(人工知能)拠点などで構成される。
食品関連会社の開発拠点やテストマーケティングレストラン、情報配信用のキッチンスタジアム、国際会議場、冷凍貯蔵庫などで構成される「フードテックR&D」も設置する。食品や農林水産業の成長を促進する「日本版フードバレー構想」をいち早く具現化し、日本食の輸出拡大とグローバル・コールドチェ―ン(低温物流)の構築を目指すという。
成田空港は、29年3月までに第3滑走路の新設などで空港の処理能力を拡大。30年代には旅客・貨物ターミナルを新設して既存機能を集約する大規模リニューアルを予定し、旅客数・貨物量の拡大が見込まれる。
日本海事新聞社