【Like~an~Angel ライヴ映像配信記念 特集3(全3回)】 まだ見たことがない景色を探して Like~an~Angel飛躍の軌跡を振り返る
コピーバンドから自我をもったバンドへと変貌
Like~an~Angel(読み:ライク アン エンジェル)とは、誰もが知るL’Arc~en~Ciel(読み:ラルク アン シエル)のコピーバンドである。そのライクがいま、コピーバンドという肩書きを超える飛躍を遂げているのをご存じだろうか。 Like~an~Angelのライブ写真 ライクの生みの親は、あのtetsuya(B)だ。ラルクの生みの親であり、バンドリーダーをつとめる彼は、現在もラルクとして活動中である。そんな彼が、本家のコピーバンドを作る。こんなことは、世界にも例のないことで、それを思いついたらやってしまうのがこの人の凄いところなのだ。もちろんその発想の裏には、現在ヴォーカルに専念しているTETSUYA名義のソロに加えて、ラルクのベーシストとして腕がなまらないようにベースを弾く機会を増やしたいというプレーヤーとしてのシンプルな欲求。 さらには、どうせ弾くならライヴの本数が少ないラルクのコピーバンドをやることで、ファンが望んでいたとしてもなかなか披露できない過去のレア曲をどんどん演奏して、定番曲以外のラルクの素晴らしい曲をプレイしたら、ファンも喜んでくれるんじゃないか。コピーバンドなら小回りがきくので、いろんな時期、いろんな場所に行って、ラルク以上にたくさんライヴの本数ができるんじゃないかというバンドリーダーならではの考えもあったに違いない。 そんな思いを語ることなく、tetsuyaはtetsuyaらしく、ライクの登場の仕方から、遊び心たっぷりのトリックを仕掛けて世の中を驚かせていったのはさすがだった。まず、自身のX、Instagramのアカウントを通して、謎のバンド“Like~an~Angel”が1st ライヴを行なうことを突然告知。告知した日が2023年4月1日だったため、これはエイプリルフールにちなんだジョークなのか本当なのかと、当然世間は大騒ぎ。 そこから、tetsuya以外のメンバーの名前は伏せた状態でライクがL’Arc~en~Cielのコピーバンドあることやヴォーカルの歌声を徐々に解禁していったなかで、ライクは同年5月30日に1stライヴを開催した。本家であるラルクが初めてライヴを行なった記念すべき日に、1stライヴを重ねるところまでtetsuyaの「みんなを楽しませたい」という遊び心が満ちあふれていた。そうして、ライヴが幕を開け、なによりもオーディエンスを震え上がらせたのは、hydeそっくりな歌声を持つヴォーカルの存在だった。 「みんなの想像の上いってた?」とその様子を見て、ご満悦の様子だったtetsuya。このライヴで、tetsuya以外のメンバーが、hibiki(Dr)とreno(G)、外国人のjekyll(Vo)であることがステージ上で初めて明かされた。この初ライヴから4カ月後、ライクは10月7日、日比谷公園大音楽堂でワンマンライヴ<PARALLEL WORLD 2023>を開催。このときは、出演できなかったrenoの代わりにsaki(G)とhiro(G)の2人がギタリストとして参加し、ここで初めて5人編成のライクが登場。 こうして、次々と世間を騒がせていったライクは、2024年に入るとさらにギアをあげ、これまで単発ばかりだったライヴを、初めてツアーという形に切り替えて<CLUB CIRCUIT 2024 L’Aclassic>と題して、全国展開でライクをお披露目していった。そうして、ライク初のツアーは大成功を納めてフィニッシュ。このときのライクは、tetsuyaにjekyll、reno、saki、hibikiを加えた5人編成で、tetsuyaは今後もこの編成、このメンバーでライクを継続してくという。 このツアーから、ライクはラルクのコピーバンドという肩書きからはみ出すように自由に羽を広げて、Like~an~Angelという自我を持った単体の“バンド”へと変貌していったのだ。
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