ロシア軍、ウクライナ東部の要衝クラホベを占領と主張 クルスク州での戦闘激化
(CNN) ロシア国防省は6日、ロシア軍がウクライナ東部ドネツク州の要衝クラホベを占領したと発表した。一方、ウクライナ軍は、越境攻撃を行っているロシア・クルスク州での反攻時に司令部を攻撃したと明らかにした。 写真特集:ウクライナが直面する不確実な未来 ロシア国防省は、ロシア軍がクラホベを「完全に解放」したと発表した。クラホベをめぐっては数カ月にわたり激しい戦闘が続いている。クラホベは小さな工業都市だが、ポクロウスクといった要衝や南部前線への足掛かりとなる。ウクライナ側はロシアの主張に疑問を呈し、7日にはまだ同市で戦闘が続いていると述べた。 ウクライナ側もクルスク州で新たに攻勢に出ている。ウクライナは昨夏の越境攻撃以降、クルスク州の一部を占領下に置いている。ウクライナ軍は7日、同州ベラヤ近郊のロシア軍司令部に対して精密な空爆を実施したと明らかにした。 3年近くにわたり戦争が続き、ロシアとウクライナ双方が疲弊しているが、ここ数週間は前線での戦闘は激しさを増している。米国では、トランプ次期大統領の就任が控えている。トランプ氏は、方法は明言していないが、ウクライナでの戦争を1日で終結させると約束している。ロシアもウクライナも和平交渉の可能性を前に、領土を獲得して交渉材料を増やそうと大統領就任式前に攻勢をかけているとみられる。 ロシア軍はこの数週間、ポクロウスクをう回する形でクラホベに対して攻撃を加えていた。ウクライナがもし要衝のポクロウスクを失えば、ドネツク州を保持する能力に影響が出る。クラホベとポクロウスクの距離は約25キロ。 ウクライナの作戦戦略グループ「ホルティツァ」の報道官は、7日午前の時点でクラホベの西部と火力発電所の近くで戦闘が続いていると述べた。報道官はCNNの取材に対し、ロシア軍がクラホベを支配下に置いたとの報告が出ているが、ウクライナ側はその情報を確認していないと述べた。 CNNはいずれの主張も独自に確認できていない。 ブロガーのひとりは、ウクライナ軍の「英雄的な」努力にもかかわらず、クラホベは「事実上失われた」との見方を示した。同ブロガーによれば、ウクライナ軍は発電所など主要な工業地区を依然として防衛している。 ロシアの国営メディアは6日、治安関係の情報筋の話として、ウクライナ軍が発電所周辺から押し戻されたと伝えたが、戦闘は継続しているという。情報筋の話として、「工業地帯では依然として多くの作業が残っている」と報じた。 一方、ウクライナはロシア・クルスク州で反攻に出ている。同州では、ロシア軍や最近派遣された北朝鮮兵がウクライナ軍を押し戻そうとしている。ウクライナ軍は週末、クルスク州の各地でロシア軍に対して攻撃を行った。 ウクライナのゼレンスキー大統領は6日、定例の発表で、ウクライナ軍はロシア領の「緩衝地帯」を依然として維持していると述べた。 ゼレンスキー氏によれば、クルスク州への越境攻撃が始まって以降、ロシア側には同州だけですでに3万8000人を超える兵士を失っている。そのうちの1万5000人については回復不能だとしている。