【解説】日銀が追加利上げ 政治の影響は? 金利はいつどこまで上がる?
■利上げの影響
3月の利上げは、マイナス金利を脱して、政策の方向性をかえる象徴的な意味合いが大きかったんです。今回は上げ幅は小さいですが、だんだん実際の経済生活に影響がでてきます。 短期金利があがると、多くの人が借りてる変動型の住宅ローンの金利があがると見込まれます。中小企業がかりている融資の金利もあがって業績が厳しくなります。すでに金融機関によってはあげてきていますが今回の利上げが直接ローンの返済に響くのは、新規は早ければ9月から、すでに借りている人は来年1月くらい。また、お金を借りている企業の業績に影響しますので、この先、景気や経済の足を引っ張らないか、どんどん上がっていくとなれば、影響は大きくなってくると思います。
■国債買い入れ減額は予見性をもって
――日銀は国債の買い入れ減額の具体策も発表しましたが、これは市場の予想通りだったんですか。 おおむね市場の予想に沿っていました。3ヶ月ごとに4000円程度減額で、そして最終的には再来年の1月から3月には今の半分程度の買い入れになる見込みです。これは事実上の金融の引き締めで、正常化への一歩ということですが、投資家が混乱しないように予想できるようにということで、3ヶ月ごとの額、ペースもはっきりさせています。
■さらなる利上げは?
――この後も利上げは続くと見ていいんですか。 一番のポイントですね。まずはこちらです。こちら今後のスケジュールです。秋には政治イベントがいろいろあります。自民党の総裁選がいつかまだわかりませんが、総裁が決まると衆院選もどこかであると見込まれています。日銀は、政治的に中立であるということを求められていますので。金融政策は変更しにくいと思います。日銀は今後のことも考えると、さらに金利を上げておきたいと思います。今後、景気が悪くなったり災害が起きたりなどの時に利下げという手段がとれないので、金利ののりしろを作っておきたいという気持ちがあると思います。年内にもう1回利上げを狙ってるかなと思います。