ポジティブ思考にもネガティブ感情にも振り回されない、佐久間宣行の新時代の「ごきげん」とは?
楽しい余生を過ごすために、自分の好きなものを世の中に増やしたい
――佐久間さんの直近の悩みって何ですか? ヘンな話ですけど、一向に仕事がちょうどいい量にならないというのが悩みですね。声をかけて下さった気持ちが嬉しいし、ありがたいから、ついついお受けしていると、ちょうどいい仕事の量にならなくて……。とんでもなく野心あふれる人間じゃないので、バランスの取れた仕事をしながら50代を迎えたいと思っているんですけど、なかなかそうはなっていないです。 ――まだまだしばらくは走り続ける感じですかね。 バランスを取りながらでしょうか。新しいことを試す余裕がある状態で50代を迎えたいと思っているんです。フリーになってから、どんな仕事でもまず挑戦しようとできるだけ受けていたら、なかなかの忙しさになっちゃいましたけど、まもなく50代になるわけで。そろそろ次の新しい武器(自分の得意分野)をつくりながら、どの場所で楽しく仕事しようか考えないといけないなって。 ――差し支えない範囲で、これからどう動いていこうと考えているか教えてもらえますか? YouTubeをIT企業とつくっているので、僕のエンタメの知識とかお笑いの中で学んだシステムを、もっと広げることができないかな、と考えています。例えばアプリに落とし込むとか。あとは、それこそ『トークサバイバー!』のアメリカ版を作るとか、お笑い番組のフォーマットを世界に輸出したり、今まで培った知見を世界に向けて出していくことができたら面白そうだなと思っています。 ――では、今までまったく頭になかったけれども、これはちょっとやってみたら面白そうかなと思っていることはありしますか? サラリーマンじゃないから、やろうと思えば何でもできるんですよね。そういう意味では、高校時代にバイトしていたカレー店(いわき市の「グラフィティ」)が人生で一番好きなカレーなんですけど、そこが閉店しちゃったので、その味を復活させたいなと密かに思ったり。 ――カレーですか! もちろん許可をいただけたらですけど、ちょっとやってみたいなとも(笑)。 ――未来の話になりますが、最終的にこうなっていたいと思う理想の姿はあるのですか? めちゃくちゃゲームとかやっているおじいちゃんになりたいですね。「クリアしたいゲームがあるのにな」と思いながら死にたいというか。次にやりたいことがある状態で人生が終われたら理想だと思います。 やりきったなと思う余生よりも、「明日あの本を読もう」とか、「明日あのゲームをやろう」と思えている自分でいたい。だから、仕事で好きなものを増やしたいなと思っているんですよね。 仕事のモチベーションは何かと聞かれたら、自分の好きなものを世の中に増やしたいということなんですけど、それって要するに楽しい余生を過ごしたいからなんです(笑)。 ――完
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