安全基地になれない親は「精神的に未熟」 「親の愛情不足」の中で育った子に見えがちな特徴
◆相手の気持ちにしっかりと寄り添うことができ、衝動も抑えられ、精神的な知性もある。心がおだやかで、自分の気持ちに正直でいられるし、ほかの人ともうまくやっていける。(ゴールマン、1995年)(61ページより) ◆客観的であろうとし、自分をよくわかっていて、欠点も認めている。(シーバート、1996年)(61~62ページより) 対して精神的に未熟な人には、行動、感情、精神面においてまったく異なった特徴が見られることが多い。ここではその特徴が挙げられているのだが、このうちどれか1つの特徴を示す人は、ほかの特徴もあわせ持っていることが多いそうだ。
1:融通がきかず、1つのことを思い詰める 進むべき道がはっきりしている場合は、精神的に未熟な人であってもきちんとした対応が可能。しかし対人関係や精神的な決断を要する問題になると、その未熟さがあからさまになるという。融通がきかなかったり、一時の感情に駆られたりしてしまうわけだ。そして、ひとたび「こうだ」と意見をまとめると、あとは心を閉ざしてしまうことになる。 2:ストレス耐性が低い 精神的に未熟な人はストレスにうまく対処できない。反応はあくまでも受け身で、型にはまっている。状況を見極め、未来を見越して対策を講じるかわりに、現実を否定したり、ゆがめたり、もとに戻そうという対処戦略を使う。(ヴァイラント、2000年)
自分の間違いを認められず、事実を信じなかったり、ほかの人を責めたりするということ。安定した感情を保つことが苦手で、しばしば過剰に反応する。いったんカッとなると容易に気持ちを落ち着けることができず、ほかの人が自分の思いどおりに動けば、自分の気持ちは静まるに違いないと考えている。アルコールや薬に頼って気を晴らすことも多いという。 3:自分がいちばんいいと思うことを押し通す 人は成長するにつれて、自分がいいと思うことが、かならずしも最良の方法ではないことを学んでいく。だが精神的に未熟な人の中には、自分の思いどおりにしようという、子どものころの衝動がそのまま残っている。(ボーエン、1978年)