G20サミット混乱あらわ、トランプ氏復帰前から無秩序な世界浮き彫り
初日夜のカクテルパーティーでは、79歳のルラ氏は疲労のため早く帰宅した。多くの出席者は、20日に82歳になるバイデン氏との自撮り写真を撮りたがった。
両氏はいずれもサミット終了時に記者会見しないという、拍子抜けする幕切れとなった。今回の会議の内容が、数カ月後にはほとんど意味を持たなくなる可能性を示唆した。
迫り来るトランプ氏の復帰が、「ダモクレスの剣」(危険が迫っていることを示すギリシャ神話の故事)のようにサミットに影を落とした。外交関係者らは「孤立主義」という言葉を避けたが、新政権になったら米国が世界情勢でどのような役割を担い続けるのかについて、繰り返し疑問が起きていた。
一方、新興国を中心とするいわゆる「グローバルサウス」の首脳らは、最もくつろいだ様子だった。インドのモディ首相と中国の習近平国家主席は笑みを浮かべ、落ち着いて言葉を交わし、集合写真撮影の前後でセンター寄りの立ち位置を確保した。ただ、トランプ氏が両国への追加関税を警告しているため、嵐の前の静けさのようにも若干感じられた。
原題:Chaos in Rio Shows a World Untethered Even Before Trump Returns(抜粋)
--取材協力:Brian Platt、Donato Paolo Mancini、Sam Dagher、Manuela Tobias、Jenny Leonard、Ilya Arkhipov.
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Alberto Nardelli, Michael Nienaber, Samy Adghirni