高句麗の王后の服が中国風? TVING初の時代劇『于氏王后』の考証を巡って論争
(2)乙巴素の服飾が中国式? 官僚たちは高句麗伝統の三角帽「折風」をかぶって登場するのに対し、乙巴素だけは、中国時代劇の冠帽に似た「サントゥ冠」をかぶっており、論争を呼び起こした。伝統服飾文化の専門家である蔡今錫(チェ・グムソク)淑明女子大衣類学科名誉教授も「見たことのない形態」としつつ「韓国ドラマは今や世界の注目を集めているのだから、考証にもっと努力を傾けるべきだった」と語った。 TVING側は「形は似ているように見えるかもしれないが、高句麗のよろいの特徴であるモッカリゲと三足烏(さんそくう、3本足のカラス)の文様を組み合わせてデザインしたサントゥ冠」だと説明した。一部のネットユーザーは「高句麗は左襟を服の内側に入れる左袵(さじん、左前)方式だったのに、乙巴素は中国式の右袵(右前)で服を着ている」と主張した。これは事実ではなく、研究によると、高句麗には左袵と右袵が混在していた。 公営放送でもなくドキュメンタリーでもない、OTTのドラマに対して厳格な基準を当てはめるのは難しい、という反論もある。『于氏王后』は、伝統時代劇よりはファンタジーに近いフュージョン時代劇だ。OTTだからこそ可能な、かなり過激なベッドシーンや、残酷なアクションシーンも多数含まれる。シム監督は「歴史的考証にばかりこだわったら、視聴者の目の高さに合わせることは難しい。史料を基本にはするが、想像力を足して、世界をとりこにできる作品を作らなければならない」と語った。 ペク・スジン記者