意外とやりがち!? 東大卒が明かす、子どもの“読書離れ”を加速させる「NGな本の選び方」
「難しさ」と「長さ」でレベルを測る
本への苦手意識を植えつけないためにも、本を選ぶときにはレベルを合わせることが大切です。 それでは具体的にどうすればいいのでしょうか。 ヨンデミーでは、本のレベルを文章の「難しさ」と「長さ」という2つの軸で判断しています。 ●難しさ まずは「難しさ」について考えてみましょう。 私たちはヨンデミーレベル(YL)という独自の指標を設けてスコアをつけ、本を選ぶときの基準にしています。 ・漢字の多さ ・語彙の難しさ ・一文の長さ ・ 漢語と和語の割合(漢語「昼食」は、和語「昼ごはん」より難しい) などからその本の「難しさ」を数値化しているのです。ちなみにこのヨンデミーレベル(YL)は、子ども自身の「読む力」を測るときの指標にもなっています。 ●長さ 「長さ」については、総文字数に着目します。 そうして「難しさ」と「長さ」を数値化することによって、本のレベルを判断する材料にしています。 あるとき、ヨンデミーを利用している子どもたちのヨンデミーレベルを調べてみたところ、同じ学年でもかなりのバラツキがあることがわかりました。 しかもそのレベルは必ずしも、学年が上の子どものほうが高いとは限らないということも明確になったのです。
学年別ヨンデミーレベルの分布
たとえば、2年生の上位約50%と4年生の下位約50%は、2学年の差があるにもかかわらずレベルが同等でした。 この結果からもわかるように、子どもの読む力は決して学年だけでは測ることができないのです。
【Case Study】子どもにとっての「ちょうどいい難しさ」がわかりません
<「疲れずに読める難しさ」の本を探し出そう> 子どもにとっての「ちょうどいい難しさ」がよくわからない。 そんなときは、子どもとともに図書館の本棚をめぐり、勘を頼りにまずは1冊を選びとってみてください。 漢字の多さや一文の長さといったポイントのほかに、文字の大きさや挿絵のわかりやすさなども、難しさを判断する材料になります。 ひとまず1冊を選んでみたら、その本よりも簡単そうなものと難しそうなものを何冊か選びます。 できれば、最初の1冊よりも2学年分くらい簡単そうな本と、1学年分くらい難しそうな本をあわせて5~6冊選んでみてください。 厳密な難しさを気にする必要はなく、なんとなく4学年分くらいの幅があるセレクトになっていればOKです。 選んだ本を机に並べたら、子どもにパラパラとめくってもらいましょう。このとき重要なのは「読まなくてもいい」ということ。 「疲れずに読めそうな本を選んでみて」と声をかけて、少なくとも1冊を選んでもらえば、子どもが持つおおよその「読む力」を判断することができます。 その力をさらに正確に見極めたい場合は、本の難しさの幅を縮めてこのプロセスを繰り返します。 一度目に選んだ本を基準にして、半学年分くらい難しそうな本と簡単そうな本をあわせて5~6冊集め、その中から「疲れずに読めそうな本」を選んでもらうのです。 このときのポイントは、 ・想定よりも簡単そうな本も選択肢に入れておくこと ・「頑張れば読める」のではなく「疲れずに読める」ものを選んでもらうこと そうすることで「子どもが楽しく読書をするために、どの難しさの本が適しているのか」を知ることができるのです。
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